2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640405
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Research Institution | Ishinomaki Senshu University |
Principal Investigator |
前田 敏輝 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (80202307)
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Keywords | 高分子 / 粘弾性 / ラングミュア膜 / 動的光散乱 / エバネッセント波 / 表面レーザー光散乱 |
Research Abstract |
本研究では,界面に閉じ込められた高分子鎖の二次元な相互作用を調べるため,主として光散乱分光法による水面上高分子超薄膜の粘弾性測定を行う.特に,高分子鎖の二次元性を反映した動的特性と光散乱ペクトルの関連を見いだすのが本研究の目的である。今年度の研究は,動的光散乱(DLS)スペクトルのS/N比改善すべく,現有の実験系を改良することに重点を置いた. 1.動的光散乱および表面レーザー光散乱分光システムの改良 励起光源としてこれまで用いてきたHe-Neレーザー(10mW)に加え,出力100mWのダイオード励起の単一波長Nd : YAGレーザー(波長532nm)を導入した.PS Latex懸濁液によるテストの結果,出力増強とビーム品質の向上により,DLSスペクトルのS/N比が約4倍改善された. 2.新しい光学配置の検討 現状ではまだ信号強度が十分ではなく,水面上単分子膜からのDLS観測は確認されていない.バックグラウンド,迷光等の低減のため,水面下から励起光を入射する,全反射配置によるエバネッセント波散乱の導入を検討中である 3.エバネッセント波散乱分光の数値シミュレーション 光学システムの設計にあたって,気水界面に吸着した高分子からのエバネッセント波散乱強度を,数値計算により評価した.その振舞いは平面波散乱に比べて複雑であり,エバネセント波散乱実験の解釈には数値解析が不可欠であるとの結論を得た. 4.モデル系としての高分子試料の選択とその成膜条件の検討 水面上に展開可能で,分子量>10^6,分散指数<1.2の条件を満たす高分子試料の選択を行っている.サブフェイズの条件(pH,温度,金属塩濃度)なども含めて,振るべきパラメータは多い.成膜条件の検討は来年度も継続して行う予定である.
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Research Products
(1 results)