2002 Fiscal Year Annual Research Report
光学的禁制遷移による励起状態を経由する分子の解離イオン化ダイナミクス
Project/Area Number |
13640406
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
酒井 康弘 東邦大学, 理学部, 助教授 (90235127)
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Keywords | 解離性イオン化 / 電子衝突 / エネルギー損失分光法 / 一般化振動子強度 / 並進運動エネルギー分布 / 同時測定 / 超励起状態 / 光学的禁制遷移 |
Research Abstract |
本年度は、まず昨年度飛行時間型質量分析装置に取り付けた散乱電子用および入射電子用の擬似半球型エネルギー分析器を用いて、一酸化炭素(NO)を標的とした実験を行い、最低励起状態3sσの振動準位v'=0-3について運動量移行の大きさK^2=0から0.8(衝突エネルギー500eV、散乱角2.2-8.6deg)の範囲で一般化振動子強度を求めた。この実験には、電気通信大学のレーザー新世代研究センターにある電子分光器も用いられた。この実験は現在も継続中であり、衝突エネルギー100-400eV、2.2deg以下の散乱角、10deg程度の散乱角での実験を行っている。結果の一部を以下の研究会で発表した。 ・「NO分子の電子衝突による微分断面積測定」、原子衝突研究協会第27回研究会、京都大学、2002年8月5-7日、京都大学、講演概要集p62 また、メタンを標的とした解離イオン化の実験(同時測定ではない)を行い、その結果を論文(次ページ参照)にまとめるとともに、昨年度の結果も合わせて1件の招待講演を行った。 ・「Dissociative ionizatin of simple molecules by electron impact」、分子科学研究所研究会『光、電子および重粒子衝突ダイナミクスの現状と展望』、2002年7月25-26日、岡崎コンファレンスセンター、報告書p25-26 同時測定については、飛行時間型分析器のかわりに分析管を購入して取り付け(申請設備)、四重極型の質量分析器として用いて、現在装置の調整運転中である。このために真空槽等に若干の改良も加えた。残念ながら、信号数の少なさから、実験は未だ同時測定に至っておらず、それぞれ単独で運転中である。しかしながら、同時測定については、分析管の導入により近い将来同時計測信号を得ることができると考えている。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 酒井康弘, 河田道人, 宮内直弥: "飛行時間型質量分析計を用いたフラグメントイオンの並進運動エネルギー測定"Journal of the Mass Spectrometry Society of Japan. Vol.51,No.1. 72-76 (2003)