2001 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ波誘電分光法による生体関連物質水溶液のダイナミック構造
Project/Area Number |
13640408
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
千葉 明夫 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嵜 龍介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師(PD) (00180729)
佐藤 高彰 日本学術振興会, 特別研究員
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Keywords | マイクロ波誘電分光 / 水溶液のダイナミック構造 / 疎水性水和 |
Research Abstract |
我々はマイクロ波誘電分光法を用いてアルコール水溶液の疎水性水和について詳細な検討を行ってきた。本研究の目的はマイクロ波分光法をアミノ酸のような生体関連物質に広げ、その水溶液での疎水性水和の詳細な知見を得るとともに、マイクロ波分光法の信頼性と有効性を確立することにある。以下に研究の進展状況を述べる。 1 アミノ酸・オリゴペプチド水溶液のマイクロ波誘緩和研究の進展状況。 1)種々のアミノ酸水溶液の電気伝導度とphの濃度依存性について測定を行った。その結果、アミノ酸水溶液試料は、電極腐食の問題を除いてTDRの測定許容量内であることが認められた。 2)電極セルの製作。アミノ酸水溶液の等電点はph6程度の酸性側にあるため、電極の腐食による影響を避ける必要がある。このため18金とステンレススチール製の電極セルを設計、試作した。現在この試作セルを使い、アミノ酸水溶液の測定を行う準備をしている。 2 水-アルコール系のダイナミックス研究の進展状況。 この系については精緻な測定が出来るようになり、その結果、その高周波部分のε_∞の値を単なる推定値で置き換えることの意味が問われるようになった。高周波領域のデータ処理法を意味のあるものとするために、その裏付けとなる実験データや理論の蓄積が必要になってきた。佐藤はドイツのBarthel博士の所で、アルコール水溶液の20〜80GHz帯の誘電測定と、高周波誘電緩和機構に関する理論の検討を行っている。 3 電解質系の高精度誘電緩和測定法の確立に関する研究進展状況。 本課題の研究を行う早稲田と北大の間でTDR測定法の標準化を行うとともに電解質系の測定法に関する検討を引き続き行った。また1の2)で述べた新しく作製された電極の性能テストを行う段階である。
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