2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640410
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
池田 研介 立命館大学, 理工学部, 教授 (40151287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 豊 九州大学, 大学院・数理学研究院, 助手 (20304727)
首藤 啓 東京都立大学, 理学研究科, 助教授 (60206258)
高橋 公也 九州工業大学, 情報工学部, 助教授 (70188001)
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Keywords | トンネル効果 / 複素領域半古典理論 / 複素力学系 / カオス / カオス的トンネル効果 / ストークス問題 / ジュリア集合 |
Research Abstract |
複素力学系理論的解明が進んでいるエノン系の動的トンネル現象と複素力学系の数学的構造の関係の探求に着手した。トンネル現象に中心的に寄与する軌道の作用に関して絶対収束する集合としてトンネル効果で中心的役割を果たすラピュータ集合を定義すると複素力学理論の重要な成果であるBedfoord-Smillieの収束定理が使えてラピュータ集合内でジュリア集合が稠密であることがほぼ証明された。目下、証明の精密化と実際の数値実験での比較実証を行っている。物理的に寄与する軌道の数学的分類が正しければ、カオス的トンネル効果の中心集合が複素空間でのカオスがその上に存在するジュリア集合とほぼ等価であることが言えそうで、その精密化にとりくんでいる。 一方、多次元障壁トンネル現象に現れる真性多次元効果の機構が解明されつつある。複素トンネル軌道には必ず特異点が存在し、特異点が発散的挙動を示す初期点(臨界点)の存在がトンネル効果の真性多次元効果として結果する機構が数値的に解明された。この特異点近傍に必ずトンネル軌道が存在し、それに発する軌道が複素ヘテロクリニック交差による透過反射リーマン面の融合によって、複数個のトンネル軌道を帰結し、その間の干渉がフリンジとしてトンネル成分に観測されることが判明した。まだ、研究はまだ数値的実証の段階にあるが、今後、その数理的解構造の解明をめざして研究を進展させたい。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Takahashi, K.S.Ikeda: "Complex Domain Semiclassical Theory: Application to Time-dependent Barrier Tunneling Problem"Foundation of Physics. 31. 177-201 (2001)
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[Publications] T.Onishi, A.Shudo, K.S.Ikeda, K.Takahashi: "Tunneling mechanism due to chaos in complex phase space"Phys. Rev. E. 64. 025201-1-025201-4 (2001)
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[Publications] K.Takahashi, A.Yoshimoto, K.S.Ikeda: "Movable singularities, complex-domain heteroclinicity and fringed tunneling in multi-dimensional systems"Phys. Lett. A. (印刷中).