2002 Fiscal Year Annual Research Report
高速サンプリング信号検出を利用した超小型絶対重力計の開発
Project/Area Number |
13640417
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新谷 昌人 東京大学, 地震研究所, 助手 (30272503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 雄次 東京大学, 地震研究所, 助手 (60282729)
大久保 修平 東京大学, 地震研究所, 教授 (30152078)
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Keywords | 重力計 / レーザー / 干渉計 |
Research Abstract |
本研究では絶対重力計の小型化の阻害要因を再検討し、高速サンプリングと参照鏡の帰還制御を利用して検出精度を向上させ、絶対重力計の大幅な小型化を実現しようとするものである。本年度は昨年度製作したプロトタイプの性能評価に重点をおき、とくに投上鏡の回転の問題を焦点に研究を行った。以下にその内容を示す。 絶対量力計の心臓部である投上機構は、バネで支持されたステージ上の小型コーナーキューブ鏡を数mm投上げるものである。これまで、投上高の再現性は十分あるものの、投上時に鏡が回転してしまうことがわかっている。これは測定重力値にたいして系統的な誤差となる。回転の測定はレーザー光による「光てこ」の方法で測定し、約20mrad/sの角速度で回転することがわかった。重力値の系統誤差を1μgal以下に抑えるためには回転を約1桁低減させる必要がある。そのため、回転が生じる原因をさらに追究した。 その結果、鏡の脚と投上台との接触面の状態や投上台の振動により回転が生じることがわかった。前者に関しては、これまでのステンレス同士では投上を繰り返すうちに材料が変形し面接触状態になりおもりの離れが悪くなる。そこで、変形の非常に少ないセラミック球を鏡の脚として使用し、チタン製の投上台座に変更した。それにより変形は見られなくなった。振動に関してはステージに組み込まれているバネの共振が投上時に励起されることがわかったため、このバネを外して代わりにダンパー入りの外付けのばねを使って振動の励起を低減させた。以上の改良で回転は減少したが、まだ目標のレベルには達していない。この対策として投上台に制振材料を用いるとともに、投上台の動きをピエゾ素子により精密に制御することを検討し、有効であることが理論上確認され、今後の開発方針を得ることができた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] A.Araya, T.Kunugi, Y.Fukao, I.Yamada, N.Suda, et al.: "Iodine-stabilized Nd : YAG laser applied to a long-baseline interferometer for wideband earth strain observations"Review of Scientific Instruments. 73・6. 2434-2439 (2002)