2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640427
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中川 康一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根本 泰雄 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30301427)
奥平 敬元 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (20295679)
相川 信之 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (20047327)
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Keywords | ガウジ / 石英 / 格子ひずみ / 野島断層 |
Research Abstract |
断層破壊のダイナミクスを論じるとき、断層破砕帯を構成する材料の特性を知ることは大変重要だと考えられ、とりわけ莫大な比表面積を有するガウジ(断層粘土)は水を介した界面において特別な物理化学的性質を発現することが予想されることから、特にガウジに注目し、これの種々の特性を調べることを企てた。 ガウジの生成環境および物理的特性を探るために、野島断層および跡津川断層の簡単な調査を行い、露頭よりブロック試料の採取を行った。野島断層のガウジを燐酸処理し、抽出された石英粒について、X線回折ピークの形からその格子ひずみを解析した。 その結果、著しい塑性ひずみを有することが明らかとなった。また、細粒のものほどひずみが大きくなる傾向があることもわかった。さらに、断層のごく近傍の母岩とみられる花崗閃緑岩に含まれる石英のひずみに比べて有意に大きいことも明らかになった。 以上の結果はガウジの形成が断層破壊過程で形成されたことを指示している。また、柳ケ瀬断層のガウジ中に含まれるイライトの格子ひずみも熱水環境下で形成されたとみられる標準試料に比べて有意に大きかったことから、地表付近でみられるガウジの鉱物塑性や粒度塑性は震源域にみられるガウジとそれほど変化がないということを強く指示している。 したがって、地表付近でえられるガウジ試料の挙動特性は震源のダイナミクスを考える上で大変有効になると考えられることから、ガウジの諸特性を室内試験によって明らかにすることは大変有意義であることを意味している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nakagawa, K., Soga, K., Mitchell, J.K.: "Reply to the discussion on "Observation of Biot compression wave the second kind in granular soil(1997)"Geotechnique. 51・1. 85-89 (2001)
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[Publications] 中川康一, 川村大作: "粘土の堆積環境と電気的特性"月刊地球. 22・10. 721-724 (2000)
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[Publications] 中川康一, 根本達也, 升本真二, 駒沢正夫: "重点地盤調査候補地域"「地震防災のための深部地盤モデル」日本応用地質学会. 103-116 (2001)
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[Publications] 柴山元彦, 中川康一: "台湾大地震による地震断層の地表ガンマー線探査"大阪教育大学紀要(自然科学部門). 50・1. 89-96 (2001)
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[Publications] Okudaira, T. et al.: "Cooling and inferred exhumation history of the Ryoke metamorphyc belt in the Yanai district.Southwest Japan"The Island Arc. 10. 98-115 (2001)
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[Publications] Okudaira, T. et al.: "Sm-Nd and Rb-Sr dating of amphibolite from the Nellore-Khammar schist belt SE India"Geological Magazine. 138. 495-498 (2001)
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[Publications] 中川康一(監)・大阪地域地学研究会: "「街道と活断層を行く」"東方出版. 186 (2001)