2001 Fiscal Year Annual Research Report
大気境界層における乱流の空間構造とその時間発展に関する研究
Project/Area Number |
13640437
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
堀口 光章 京都大学, 防災研究所, 助手 (60190253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 裕彦 京都大学, 防災研究所, 助教授 (60263159)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
植田 洋匡 京都大学, 防災研究所, 教授 (70026186)
伊藤 芳樹 (株)カイジョー, 技術戦略室, 室長
橋口 浩之 宙空電波科学研究センター, 助教授 (90293943)
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Keywords | 大気境界層 / 乱流 / 組織構造 / large-eddy simulation / ドップラーソーダ / 境界層レーダー |
Research Abstract |
境界層乱流中に組織的構造が存在し,それが乱流輸送と乱れの生成に大きな寄与をなしていることが調べられてきている。本研究では,まだ不明の点が多い大気における境界層でのそのような構造の状況を調べることを目的として以下の研究に取り組んだ。 現象の理解が比較的容易であると考えられる大気の安定度が中立に近い時を対象とし,大気境界層乱流の構造を調べるために京都大学宙空電波科学研究センター信楽MU観測所において各種測器により総合的な観測を長期(約3ヶ月)にわたり実施した。2高度(4,17m)に設置した風速計と温度計により接地境界層での風速変動と大気安定度,ドップラーソーダと境界層レーダーにより上空での風速変動と大気の乱れからの散乱エコーの鉛直分布を観測した。これらにより大気境界層全層にわたる乱流の構造を観測することができた。今後は,得られたデータの解析により大気境界層における乱流の組織構造の発現周期,運動量輸送に対する寄与の程度などについて調べる。 large-eddy simulation (LES)として動かすことができる米国オクラホマ大学ストーム解析予報センター(CAPS)が開発した数値モデルARPS (Advanced Regional Prediction System)を使用するため,各種条件,パラメータによる試験的な数値計算を実施した。LESでは大きな乱流渦は直接計算し,計算格子の幅より小さいスケールの乱流運動の影響はパラメータ化して扱うため,高レイノルズ数である大気境界層乱流についても計算することができる。今後,この数値モデルを用いて,観測の結果と対照しながら大気境界層乱流の空間構造とその時間発展の様子について,またそのような構造によりどの程度の運動量が輸送され乱れが生成されるのかについて調べる。
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Research Products
(2 results)