2003 Fiscal Year Annual Research Report
博多・釜山間フェリーによる対馬暖流のリアルタイムモニタリングシステムの構築
Project/Area Number |
13640439
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尹 宗煥 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80111459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 直毅 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (70335983)
増田 章 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (60091401)
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Keywords | ADCP / 流量 / 対馬暖流 / フェリー / リアルタイム / 博多・釜山 / モニタリング / 季節変動 |
Research Abstract |
1.平成13年度に電話回線を利用した自動伝送システムを構築し、3回/週の割合でデータの回収が行なえるようになった。本年度は引き続きそのシステムを使用し、博多・釜山間横断面の流速構造をほぼリアルタイムでモニターをしており、すでに7年分のデータベースが作られている。 2.流速データを利用して、主要8分潮の潮流成分の高精度分離を行ない、潮流成分を除去した残差流から対馬暖流の流量の変動をモニターし、引き続き解析している。過去7年間の対馬暖流の流量の平均値は東水道で1.2Sv(10^<12>cm^3/s)、西水道で1.5Svであり、その間の流量の平均的季節変化は冬には最低、10月に最大となる。日本海の海洋循環モデルの境界条件として使用できるようデータセットを作成し、現在様々なモデルで活用されている。 3.博多、厳原、釜山間の潮位差から対馬暖流の流量を高い精度で一時間毎に推定する式を作り、それを用いて対馬暖流の短周期変動の解析を行い、3日前後の周期の変動が卓越することを見出した。この3日前後の変動は、風と大気圧のみで駆動した日本海・東中国海結合順圧モデルにおける対馬暖流の流量の変動にも現れる。大気の変動スペクトルでは5日前後周期が卓越するにもかかわらずモデルでの対馬暖流の流量変動スペクトルでは3日前後の周期の変動が卓越することからこの変動は、大気圧の変動によって日本海の固有振動モードが励起されるために引き起こされることがわかった。 4.ADCPを取り付けていた定期旅客船カメリアが老朽化のため平成16年6月に廃船となるにともない2月のドック時にADCPを取りはずした。5月に新船にADCPを取り付7月から計測を再開することになる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hong C.-H., J.-H.Yoon: "A three-dimensional numerical study of typoons in the northwestern Pacific Ocean."J.Geophys.Res.. 108・C8. 38-1-38-18 (2003)
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[Publications] Danchenkov, M.A., S.C.Riser, J.-H.Yoon: "Deep current of the central sea of Japan."Pacific Oceanography. 1・1. 6-1 (2003)
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[Publications] Lee, H.J., J.-H.Yoon, H.Kawamura, H.W.Kang: "Comparison of RIAMOM and MOM in modeling the East Sea/Japan Sea circulation."Ocean and Polar research. 25・3. 287-302 (2003)
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[Publications] 笹島雄一郎, 広瀬直毅, 尹 宗換: "近似カルマンフィルターを用いた日本海順圧モデルに対する中層フローとのデータ同化"九州大学大学院総合理工学報告. 25・3. 369-378 (2003)
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[Publications] 尹 宗換: "ながれの辞典(海洋汚染)"丸善. 796 (2004)