2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640440
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
廣岡 俊彦 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90253393)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三好 勉信 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (20243884)
宮原 三郎 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70037282)
伊藤 久徳 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (80112100)
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Keywords | 非定常プラネタリー波 / 自由振動 / 高次モード / オゾン / 大気大循環 |
Research Abstract |
本研究では、長年蓄積されてきた多量の気象観測データの解析と、大気大循環モデルを用いた数値シミュレーションを組み合わせ、特に南半球における定常プラネタリー波と、全球的な非定常プラネタリー波の形成機構を明らかにすることを目的とする。 昨年度は、全球的な非定常プラネタリー波の一つで、東西波数1の大気自由振動(ノーマルモード)の基底モードである5日波について、波動活動度の年々変動と、大気大循環の年々変動の関係を調べた。引き続き今年度は、さらに周期の長いノーマルモードの出現について、気象観測データ及び大気大循環モデルを用いた数値シミュレーションデータを用いて調べた。その結果、北半球成層圏冬季の循環を特徴づける北極中心の低気圧(極渦)が3月から4月頃に崩壊した後から8月頃にかけての期間に、東西波数1または2で、周期が2から3週間くらいの西進性波動が卓越的に現れることが、両データに共通して見られた。これらの西進性波動は、極渦崩壊を契機に出現した高次のノーマルモードと考えられ、気圧、温度などの力学場だけでなく、オゾンをはじめとする大気微量成分の場にも、対応する波動成分が見られることがわかった。以上の事実は、北半球極渦崩壊後から夏にかけての時期のノーマルモードの励起機構に、極渦の崩壊が関係している可能性を示すものと考えられ、今後さらなる研究が必要である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Y.Miyoshi, T.Hirooka: "Quasi-biennial variation of the 5-day wave in the stratosphere"Journal of Geophysical Research. 108・D19. 10.1029 (2003)
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[Publications] Baldwin, M., T.Hirooka他: "Major stratospheric warming in the Southern Hemisphere in 2002 : Dynamical aspects of the ozone hole split"SPARC News Letter. 20. 24-26 (2003)
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[Publications] 廣岡俊彦, 森明子: "2002年の南半球冬季成層圏循環の特異性と大規模突然昇温"グロースベッター. 41. 112-121 (2003)