2003 Fiscal Year Annual Research Report
琵琶湖西岸の比良川ファンデルタにおける土砂輸送と堆積作用
Project/Area Number |
13640466
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Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 淳 大阪工業大学, 工学部, 助教授 (90319575)
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Keywords | 琵琶湖 / 扇状地 / ファンデルタ / 水中ROV |
Research Abstract |
『琵琶湖西岸の比良川ファンデルタにおける土砂輸送と堆積作用』の研究について、平成15年度に行った調査および結果の概要は以下の通りである. 琵琶湖西岸の比良川を中心とする地域には、比良山系山麓に多数の扇状地が発達し、さらにそれらが直接湖水にデルタとして浸水して、いわゆるファンデルタ群(臨湖扇状地群)を形成している. 平成14年度までの調査・研究では、当該地域に5つのファンデルタを認め、その陸上部の扇状地がいづれも、上部扇状地と下部扇状地から構成されることを明らかにしてきた.またその水中延長部であるデルタ斜面の堆積物が急な斜面を形成し、沖合い向けて急速にその粒度を減じて堆積していること等を明かとした.これらを踏まえ平成15年度は、ファンデルタの陸上部、水中部で以下の調査を行った. 【陸上部】下部扇状地に発達するローブの横断・縦断形状を定量的に明らかにするため、詳細な測量調査を行った.結果、ローブは下流側に向けて傾斜、幅、高さともに減少する傾向にあることが明らかとなった. 【水中部】平成14年度までの調査では、湖岸から沖合い方向での堆積物の変化や、湖岸付近の礫質堆積物の分布を明らかにした.これらと合わせて、陸上のローブやローブ間低地といった地形的特徴が水中にどのように連続するのかを知るために、湖底地形を詳細な水深調査を行った.結果、水中ではローブ地形はほとんど連続して追跡できず、急峻な斜面を形成していることが明らかとなった.また一部に大規模な水中斜面の崩壊を示唆する凹状地形を認めた.
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