2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640472
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
大木 公彦 鹿児島大学, 総合研究博物館, 教授 (90041235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 正康 鹿児島大学, 水産学部, 講師 (20208771)
冨安 卓滋 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (60217552)
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Keywords | 底生有孔虫 / 重金属汚染 / 底質 / 内湾 / 八代海 / 水俣湾 / 水銀 / 海流 |
Research Abstract |
本研究者等は、八代海と水俣湾を中心に採取した海底表層堆積物の堆積学的研究、底生有孔虫群集からみた堆積環境、堆積物に含まれる汚染水銀の時空分布について研究を行っている。平成8年3月に南部八代海から採取した74点の海底表層柱状試料の粒度と水銀分析によって、窒素水俣工場から排出された水銀の時空分布(Rifardi et al.,1998;Tomiyasu et al.,2000)を明らかにしてきたが、今年度は、それらの柱状試料に、含まれる水銀量と底生有孔虫群集の関係について分析し、汚染前には産出頻度の低かったBulimina denudataが、水俣湾に近い全ての地点において汚染後の柱状試料(コア上部)で群集の最優勢種であることが分かり、この種が水銀汚染の指標種になりうる可能性が高まった。その予察的結果は、月刊海洋(大木ほか、2001)、日本古生物学会第151回例会(2002,1)で報告した。 一方で、平成12年11月と平成13年3月に行った水俣湾内の調査で採取した海水と海底表層堆積物、および堆積物に含まれる底生有孔虫について処理・分析・解析を行ってきた。それらの結果の一部、および水銀の時空分布と海洋学的データとの関係について、平成13年11月に水俣市で開かれた「第6回広域環境汚染物質としての水銀交際会議」で発表を行った。その一部は学術論文、プロシーデイングスとしても報告した(Logar et al.,2001;Rajar et al.,2001)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Rifardi, Oki, K., Tomiyasu, T.: "Sedimentary environments based on textures of surface sediments and sedimentation rates in the South Yatsushiro Kai, southwest Kyusyu, Japan"Journal of the Sedimentological Society of Japan. 48号. 67-84 (1998)
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[Publications] Rifardi, 大木公彦: "南部八代海における底生有孔虫のL/Tl値から見積もられる相対的堆積速度とタフォノミー"化石. 65号. 10-30 (1998)
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[Publications] Tomiyasu, T., Rifardi, Oki, K., et al.: "Mercury contamination in the Yatsushiro Sea, south-western Japan : spatial variations of mercury in sediment"The Science of the Total Environment. 257号. 121-132 (2000)
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[Publications] 大木公彦他2名: "水俣湾沖の水銀汚染と底生有孔虫群集の垂直変化"海洋. 33巻・6号. 414-419 (2001)
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[Publications] Logar, M., Tomiyasu, T., et al.: "Determination of total mercury and monomethylmercury compounds in water samples from Minamata Bay, Japan"Applied Organometallic Chemistry. 15号. 515-526 (2001)
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[Publications] Rajan, R., Tomiyasu, T., Oki, K.et al.: "Use of modelling in mercury pollution studies with twocase studies : Gulf of Triesta and Yatsushiro Sea"Proceedings of NIMD Forum 2001. 123-135 (2001)