2001 Fiscal Year Annual Research Report
マントル遷移層の密度と地震波速度の計算機シミュレーション
Project/Area Number |
13640482
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 正典 姫路工業大学, 理学部, 教授 (90125097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩谷 健治 姫路工業大学, 理学部, 助手 (70237907)
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Keywords | マントル遷移層 / 地震波速度 / 計算機シミュレーション / 高温高圧 / マントル鉱物 / 分子動力学法 |
Research Abstract |
マントル内410km及び660km地震波不連続面はそれぞれ、(Mg,Fe)_2SiO_4、オリビンから変型スピネル、(Mg,Fe)_2SiO_4スピネルから(Mg,Fe)SiO_3ペロフスカイトと(Mg,Fe)Oへの相変化によると考えられている。平成13年度は、分子動力学(MD)法を用いた計算機シミュレーションにより、上記相変化に伴う密度、及びP及びS地震波速度変化を両不連続面を想定した高温高圧下で求め、得られた結果を、不連続面についての地震波観測データと詳細に比較した。 結晶のポテンシャルエネルギーを、クーロン項、ファンデァワールス引力項、反発項から成る二体間相互作用の和で表した。加えて、酸素イオンについては、結晶内における多体相互作用を取り扱うべくbreathing shell modelを適用した。 410km及び660km不連続面の両者共、(Mg,Fe)_2SiO_4の割合が50〜60vol%の場合は、密度及びP及びS地震波速度変化の全てにおいて、MDによる計算値は、地震波観測モデルSF99と誤差1σの範囲内で一致した。しかしながら、pyroliteあるいはpiclogite組成の如何にかかわらず、410km及び660km連続面の両者とも、MDによる密度変化の計算結果は、地震波モデルPREMあるいはak135による値に比べてかなり小さいことが明らかになった。 これらの計算機シミュレーションによる研究に加えて、シミュレーション結果を実測値と比較するために、ダイアモンドアンビルセルを用いた高圧実験を行った。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] M.Matsui: "Density and bulk Sound velocity jumps across the 660 km seismic discontinuity"Phys. Earth. Planet. Inter.. 125. 141-146 (2001)
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[Publications] M.Matsui: "Comparison between the An and MgO Pressure calibration standards at high temperature"Geophys. Res. Lett.. (in press). (2002)
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[Publications] 松井正典: "MgOの温度-圧力-体積状態方程式のMDシミュレーション"高圧力の科学と技術. (印刷中). (2002)
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[Publications] K.Kusaka: "Determination of structures of Ca_2CoSi_2O_7, Ca_2MgSi_2O_7, and Ca_2(Mg_<0.55>Fe_<0.45>Si_2O_7 in incommensurate and norned phases ・・・"Phys. Chem. Minerals. 28. 150-166 (2001)
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[Publications] K.Hagiya: "Commensurate structure of Ca_2CoSi_2O_7, a new twinned orthorhombic structure"Acta Cryst.. B57. 271-277 (2001)
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[Publications] B.Bagantdinov: "Low-tempereture studies on the two-dimensional modulations in akermeniter-type crystels : Ca_2MgSi_2O_7 and Ca_2ZnSi_2O_7"Phys. Chem. Minerals. (in press). (2002)