2003 Fiscal Year Annual Research Report
マントル遷移層の密度と地震波速度の計算機シミュレーション
Project/Area Number |
13640482
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
松井 正典 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90125097)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩谷 健治 姫路工業大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70237907)
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Keywords | マントル遷移層 / 地震波速度 / 計算機シミュレーション / 高温高圧 / 分子動力学法 / マントル鉱物 |
Research Abstract |
(Mg,Fe)_2SiO_4スピネルはマントル遷移層の最重要鉱物である。平成15年度は、分子動力学(MD)法を用いた計算機シミュレーションにより、Mg_2SiO_4スピネル相について、温度2000K、圧力30GPaまでの温度-圧力-体積状態方程式を高精度で求めることを試みた。結晶のポテンシャルエネルギーを、クーロン項、ファンデァワールス引力項、反発項から成る二体間相互作用の和で表した。加えて、酸素イオンについては、結晶内における多体相互作用を取り扱うべくbreathing shell modelを適用した。 得られたシミュレーション結果を、高温における、既存のMgOとMg_2SiO_4スピネルの温度-圧力-体積同時測定データと詳細に比較、検討した。その結果、MgO状態方程式と今回のMg_2SiO_4スピネル状態方程式が与える圧力値が、温度1500〜2000K,圧力18〜23GPaの範囲に渡って、非常に良く一致することを見出した。すなわち、両状態方程式が与える圧力値の差は、これらの温度圧力範囲で平均0.1〜0.2GPaであることを見出した。今回求められたMg_2SiO_4スピネル状態方程式は、マントル遷移層が関わる高温高圧X線解析実験の際の圧力スケールとして特に有用である。 加えて、ダイアモンドアンビルセルを用いた高圧粉末X線結晶回折実験により、(Mg,Fe)_2SiO_4スピネルの体積弾性率の鉄依存性を精密に求めた。
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Research Products
(1 results)