2001 Fiscal Year Annual Research Report
炭酸塩岩の深部沈み込みに伴うダイアモンドの形成と流体の果たす役割
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13640485
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
小笠原 義秀 早稲田大学, 教育学部, 教授 (70160736)
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Keywords | ダイアモンド / 超高圧変成岩 / ドロマイトマーブル / チタン石 / 離溶コース石 / コクチェトフ超高圧変成帯 / 流体 |
Research Abstract |
カザフ共和国産の超高圧変成炭酸塩岩試料を用いて表題の研究を行った。その結果以下のことが明らかになった。 1.ドロマイトマーブルを用いてダイアモンド含有率測定を行い、最高濃度2800carat/tonを得た。ダイアモンド含有量について、mmスケールで不均質であることが確認された。このマーブルに含まれるガーネット中にダイアモンドとフェンジャイト、炭酸塩鉱物の複合包有物が多数発見された。これらは、炭酸塩系におけるダイアモンドの形成とCO_2-H_2O系流体との密接な関係を示している。 2.超高圧方解石マーブルの研究では、世界で初めて離溶相としてのコース石を発見した。約20μmの針状結晶としてチタン石中に連晶するもので、超高圧ユニット上昇時においてコース石が析出していることから、本岩石がきわめて圧力の高い条件下に置かれていたことの直接的証拠となった。また、コース石析出前の化学組成は化学量論的組成よりもSiO_2が過剰になる。過剰SiO_2量から見積もられる圧力条件は6GPaよりも大きい。同一試料のチタン石中に気液2相の流体包有物を発見した。この包有物は最終末期とは考えにくく、圧力が高い時の包有物の可能性がある。超高圧変成作用時の流体の存在とその挙動を解明する上で貴重なデータである。 3.超高圧方解石マーブル中の単斜輝石について、顕微FT-IRを用いてOH基の検出を試みた。その結果、離溶K-長石周辺の単斜輝石中にH_2Oが最も多く残存していることがわかった。K-長石とフェンジャイト離溶前の単斜輝石中のH_2O含有量は1000ppm以上である。単斜輝石のこのようなH_2O含有量は数GPa以上で可能である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ogasawara, Ishida: "Diamond, fluid and carbonates-stability and genesis of metamorphic diamonds"Fluid / Slab / Montle Interactions and Ultrahigh-p minerals. 1-5 (2001)
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[Publications] Yoshioka, Muko, Ogasawara: "Extremely high diamond concentration in dolomite marble"Fluid / Slab / Montle Interactions and Ultrahigh-p Minerals. 51-55 (2001)
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[Publications] Fukasawa et al.: "How deep were carbonates subdoctes into the manth-Unique UHP evidence in the marbles from Kokchetar"Fluid / Slab / Monthe Interactions and Ultrahigh-p minerals. 185-189 (2001)
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[Publications] Ogasawara, Fukasawa, Maruyama: "Coesiee exsoltion from super-silicic titanite An example of impars UHP moarble from The Kokchetar Massif-"Abstracts of the 6th IEC. 105-106 (2001)
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[Publications] Ogasawara, Fukasawa, Maruyama: "Coesite exsolution from super silicic titanite in UHP marble from the Kokchetar-Massit, northern katakhstan"American Mireralogist. 87(未定). (2002)