2003 Fiscal Year Annual Research Report
海底における重金属濃縮機構の微生物学的及び鉱物学的実験による解明
Project/Area Number |
13640486
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Research Institution | Hakodate National College of Technology |
Principal Investigator |
水上 正勝 函館工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (90041912)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 朗 高知大学, 理学部自然環境科学科, 教授 (20356570)
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Keywords | マンガン酸化バクテリア / マンガンノジュール / コバルトクラスト / 海底堆積物 / 水-岩石相互作用 / 硫化鉱床 / 地下廃棄物処理 / 熱水反応 |
Research Abstract |
1.微生物による重金属濃縮機構 海水中の重金属が微生物活動によってどのような機構で析出するかを実験的に検討した。その結果バクテリアはマンガンをはじめとする多くの重金属を析出しうる能力を有することが明らかになった。とくにMn,Ni,Coについては,微量のバクテリアを加えるだけで,海水中の高濃度の重金属が急激に減少した。他方,Cdのような生物毒性の強い重金属では析出はほとんど見られず,海水中で徴生物活動によって重金属が選択的に析出しうることか明らかになった。この結果を海底下のマンガンノジュールやクラストの成因にあてはめるとき,海底酸化鉱物がバクテリアの媒介によって生成する可能性が確かめられた。 2.海底下における水-岩石相互作用よる重金属濃縮 海底下の熱水反応によって硫化鉱物が析出する過程を検証する目的で,海水と岩石を熱水反応装置を用いて反応させた250〜300℃における海水中で,岩石中の重金属(Pb,Zn,Cu,Fe)が溶出し,さらに硫化鉱物を晶出する過程が実験的に確かめられた。この結果は,黒鉱鉱床など陸上の鉱床が海底下で析出したことや現在の海底熱水鉱床が形成される過程を実験的に証明した。 3.研究結果の応用 本研究結果は,今後の海底資源の探査等にとって重要な資料となりうる。さらに,海底下における水,微生物,岩石の相互作用は,廃棄物の地下処理や二酸化炭素貯留に伴う環境変化の研究に役立つことが考えられ,この点についても関連研究を推進中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 水上正勝: "凝灰岩層における水-岩石相互作用と長期安定性"月刊地球(特集号). 5月号(印刷中). (2004)
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[Publications] Uesa, A., Goto, A., Kato, K., Odashimama, Mizukami, M., Oters: "Experimental studies of CO2/water/rock interaction under hydrothermal conditions appropriate for CO2 sequestation into geothermal fields."Proceeding of ICGG. 7. 1-3 (2003)
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[Publications] 臼井 朗: "海洋の鉄・マンガン鉱床"資源地質学会編. 77-86 (2003)
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[Publications] Usui, A., Matsumoto, K., Sekimoto, M., Okamoto, N: "Geological Study of cobalt-rich ferromanganese crusts using a camera-monitored drill machine in Marshall Island area."Proc.5^<th> ISOPE Ocean Mining Symposium. 12-15 (2003)