2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640515
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
早川 滋雄 大阪府立大学, 総合科学部, 助教授 (00156423)
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Keywords | 電荷逆転質量分析法 / MS / MS / アルカリ金属ターゲット / 中性種 / ラジカル |
Research Abstract |
本申請の平成13年度の研究計画の最重要事項は、申請者が開発した電荷逆転質量分折法の研究を行うことができる日本原子力研究所に設置されているMS/MSガスクロ質量分析計を大阪府立大学に移設する事であった。平成13年8月21日より9月21日まで1ヶ月をかけ、MS/MSガスクロ質量分析計の日本原子力研究所から大阪府立大学総合科学部への移設を完了した。科研費の補助金259万8750円をこの移設費にあてた。 電荷逆転質量分析装置は、日本原子力研究所高崎放射線化学研究所所属の電場磁場電場で構成されるMS/MSガスクロ質量分析計を改造して開発した装置である。本補助金により日本原子力研究所から大阪府立大学に移設したMS/MSガスクロ質量分析計は、日本原子力研究所での購入後15年以上を経過した装置であり、その性能チェックが重要である。移設後の装置の性能は以下の通りである事を確認した。 装置の真空度は2x10^<-7>torr rangeに到達した。電子衝撃イオン化法によるイオンの出射は容易に実施できた。アセトンを試料ガスとして生成するm/z=29のピークの測定で、質量分解能1000程度での測定が感度低下無しに可能であることが分かった。PFKによる質量数の校正を正常に行う事ができる。希ガスターゲットを用いた衝突活性化解離(Collisionally Activated Dissociation : CAD)によるMS/MS測定も実施できる。以上の様に、日本原子力研究所にあった性能を保持していることが確認された。また、MS/MSガスクロ質量分析計では第一の質量分析計部分でしか真空度の測定を行っていない。反応室に近い領域の第二の質量分析計部分で真空度を測定するために真空ゲージを取り付けるなどの改造を行った。 このような点検と改造の後ルビジウムをターゲットとして電荷逆転質量分析法による実験を行い、中性種の解離と異性体識別について新たな知見を得た。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shigeo Hayakawa: "Intennal energy distribution in charge inversion mass spectrometry using alkali metal targets"Int.J.Mass Spectrom.. 212. 229-247 (2001)
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[Publications] S.Hayakawa, K.Taguchi et al.: "Discrimination of Isomens of Dichlonobenzene Using charge inversion on mass spectrometry"J.Mass Spectrom.Soc.Jpn.. 49. 219-252 (2001)
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[Publications] 早川滋雄, 森政義 他: "電荷逆転質量分析法におけるピーク形状と運動エネルギー放出"J.Mass Spectrom.Soc.Jpn.. 49. 144-149 (2001)