2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640517
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
小尾 欣一 日本女子大学, 理学部, 教授 (10016090)
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Keywords | ベンゾフェノンケチルラジカル / ラジカル錯体 / レーザーフラッシュ法 / 過渡吸収 / 2体反応 |
Research Abstract |
ベンゾフェノンケチルラジカル(BPH)-アミン錯体の再結合反応速度を求めるためには、錯体のモル吸光係数を決定する必要がある。本年度はトリ-n-プロピルアミン(TPA)との錯体についてシクロヘキサン中でアミン濃度を変化させて過渡吸収スペクトルを測定し、スペクトル特性を求めた。スペクトルは548nmに吸収極大を、また490nm付近に等吸収点を持つ。吸収極大のモル吸光係数はε(548nm)=4100M^<-1>cm^<-1>と決定された。この値はトリエチルアミン(TEA)に対してすでに求められる値ε(555nm)=4000M^<-1>cm^<-1>と矛盾しない。これらの値をもちいてフリーなBPHの再結合速度定数に対する錯体の再結合速度定数の相対値を求めたところ、BPH-TEA錯体で2.0分の1、BPH-TPA錯体で1.4分の1となり、錯体結合により再結合反応が阻害されていることが分かった。しかし、予想に反してTEAよりかさ高いTPAによる阻害効果の方が小さいという結果となった。この原因として、1)BPHとアミンは水素結合により錯体を形成することが知られているが、2つの錯体の間で水素結合の強さが異なること、2)プロピル基とエチル基の柔らかさの違いにより阻害効果に差異を生じること、などが考えられる。 次にベンゼンを溶媒として再結合速度に及ぼす溶媒の粘性効果を調べた。BPH-TPA錯体のベンゼン中における再結合速度定数はシクロヘキサン中の1.6倍であった。理論によると溶液中の拡散速度は粘性率の逆数に比例することが知られている。ベンゼンとシクロヘキサンの粘性率の逆数比は1.46であり、測定された再結合速度定数比とよい一致を示している。このことからBPH-TPA錯体の再結合反応は拡散律速であることが証明された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Iida: "Rate Constant for the Reaction of OH Radicals with Isoprene at 298 ±2K"Chem. Lett.. 8. 792-793 (2002)
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[Publications] S.Kato: "The Influence of Siberian Forest Fires on Carbon Dioxide Concentrations at Happo, Japan"Atmospheric Environment. 36. 385-390 (2002)
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[Publications] A.Kawai: "Competition between Exciplex Formation and Hydrogen Abstraction Reaction in Benzophenone/1, 4-Cyclohexadiene Binary Clusters"Chem. Phys. Lett.. 362. 397-402 (2002)
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[Publications] M.Nakajima: "LIF Spectroscopy and Dissociation Dynamics of the SiH_2 Radical in the A^^〜^1B_1(1,v_2,0)State"Chem. Phys. Lett.. 364. 99-107 (2002)
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[Publications] 小尾欣一(監訳): "物理化学II -平衡と反応・分子組織系・生命の起源-"丸善. 561 (2002)
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[Publications] 小尾欣一: "基礎量子化学"化学同人. 189 (2002)
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[Publications] 小尾欣一(編集監事・分担執筆): "光と化学の事典"丸善. 639 (2002)