2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640518
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
土屋 荘次 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (40012322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山北 奈美 日本女子大学, 理学部, 助手 (90277674)
小尾 欣一 日本女子大学, 理学部, 教授 (10016090)
高橋 博彰 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40063622)
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Keywords | アセチレン / ジベンゾスベレノン / 励起振電状態 / 非調和共鳴 |
Research Abstract |
電子状態励起分子の振動および反応ダイナミックスについてアセチレン分子その他について行った。 1.赤外-紫外2重共鳴分光法によってアセチレン分子のungerade振動状態、とくに、3ν_3'+ν_6'/ν_4'よりも高エネルギー側で約500cm^<-1>にわたって分光測定を行った。その結果、電子励起状態においてパリテイの異なる振動モード間相互作用によってはじめて現れる多くの振動準位群を発見した。すなわち、gerade振動モードν_2',ν_3'とungerade振動モード間の非調和共鳴による準位分裂を見いだし、この相互作用は、電子励起A状態における振動量子状態が階層性をもつpolyad構造をなすものと結論できた。 2.電子状態励起アセチレン分子のgeradeパリテイの振動状態への励起スペクトルを高分解能で測定した。ungerade振動モードの偶数量子数状態はgeradeパリテイをもつ。したがって、gerade振動モードとの間に非調和共鳴が可能であり、予想どおりnν_3',(n-1)ν_3'+2ν_6'/ν_4',(n-2)ν_3'+4ν_6'/ν_4',・・・・のpolyad構造を発見した。 3.ジベンゾスベレノンの励起状態について、時間分解吸収スペクトルおよび時間分解ラマンスペクトルの測定により、以下のことが明らかとなった。 (1)S_1はn-π^*状態、T_1はπ-π^*状態であり、S_1ではベンゾフェノン構造が、T_1ではシス・スチルベン構造が重要である。 (2)S_1→T_1が許容遷移であるため、この項間交差は1.5psの極めて短い時間内に起こる。 (3)T_1状態における振動緩和が観測された。その時定数は16.2psと見積もられる。 (4)分子構造は基底状態では折れ曲がり形であり、T_1では平面形である。
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Research Products
(1 results)