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2001 Fiscal Year Annual Research Report

核磁気共鳴型量子コンピューターの開発とコンピューター分子の設計

Research Project

Project/Area Number 13640526
Research InstitutionYokohama National University

Principal Investigator

榊原 和久  横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80114966)

Keywords量子コンピューター / 核磁気共鳴 / 量子力学的並列処理 / 分子設計 / シクロプロパン / Controlled NOT Gate / Deutsche-Jozsaの問題 / 多スピン系
Research Abstract

NMR型量子コンピューター開発の基礎実験を、^1H-NMRスペクトル装置を使用して行うために適当なコンピューター分子は、分子中の^1H核の化学シフト値が十分に離れており(最低5ppmの差)、それら磁気的に非等価な核種間のcoupling定数(J)が大きく、^1H核の縦緩和時間(T_1)が適当な長さを持つ(T_1>>(1/2J)X10)という特性を持っていることが必要となる。このような特性を有するコンピューター分子の分子設計を行い、シクロプロパン誘導体は、3及び4スピン系のコンピューター分子として適当と考えられたので、1, 1-ジクロロ-2-チオフェニルシクロプロパン(3スピン)と1-クロロ-2-チオフェニルシクロプロパン(4スピン)を合成し、安定構造、これら分子のNMRスペクトル的性質を調査した。その結果、合成した分子は量子コンピューター分子として相応しい特性を持っていることが確認され、その後合成したブロモシクロプロパン分子(上記2つの分子のCl原子をBr原子に替えたもの)と共に、量子コンピューター実験(Deutsche-Jozsaの問題)に用いることとした。分子設計し合成したコンピューター分子の安定性は高く、数日間、加熱還流しても分解・変化が起きないことも確認した。量子コンピューター実験を行うための、パルスシーケンスは、1-スピン系から4-スピン系まで考案し、まずH_2O分子を使って、1-スピン系用のパルスシーケンスを使えば、Deutsche-Jozsaの問題を実際に解くことができ、量子力学的並列処理がNMR装置を使って可能なことを確認した。現在、考案したパルスシーケンスを用いて2-スピン系から4-スピン系の分子に対してNMR量子コンピューターの実験を行うべく、照射するパルスのパワーや、パルス間のdelay時間などに関する最適な実験条件を見つけ出す作業を行っている。今年度の研究成果は、3月末に開催される日本化学会第81春季年会にて発表予定(2H1-10)である。

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Published: 2003-04-03   Modified: 2016-04-21  

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