2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640553
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
高妻 孝光 茨城大学, 理学部, 助教授 (50215183)
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Keywords | 金属蛋白質 / 銅タンパク質 / 分子認識 / シュウドアズリン / プラストシアニン |
Research Abstract |
金属蛋白質の機能発現において金属イオンの認識・取り込みは翻訳後修飾における最も重要なステップの一部である。近年、ターゲット蛋白質へと銅イオンを挿入するCopper-ChaperonのX線結晶構造解析やNMRによる構造解析がなされるなど、金属イオンの取り込み及び放出のメカニズムが、活発に研究されつつある。 本研究課題では、ブルー銅蛋白質シュウドアズリンへの金属イオン取り込み及び放出過程に関する知見を得るため、シュウドアズリン及びアポシュウドアズリン(Apo-PAz)の構造について235nm励起の紫外共鳴ラマンスペクトルによって検討を行い、Zn(II)-PAzおよびCd(II)-PAzの紫外共鳴ラマンスペクトルとの比較検討により、銅イオンは極めて特異的に結合していることを報告してきた。 シュウドアズリンやブラストシアニンでは、酸性・還元条件下において、銅イオンに配位したヒスチジンが銅イオンから解離することが知られている。近年、研究代表者である高妻らは、シダ植物のブラストシアニンでは、酸性・還元条件下においても、ヒスチジン残基が銅イオンから解離しないことを見いだし、活性中心近傍での配位ヒスチジンと近傍に存在するフェニルアラニン残基間の特異的相互作用によって、配位結合が安定化しているものと結論づけた。本研究においては、シュウドアズリンの配位ヒスチジンの近傍に存在する16位のメチオニン残基をフェニルアラニンへと置換した部位特異的突然変異体を作成し、その金属イオン結合能についての検討を行った。この結果、シダ植物由来のプラストシアニンと同様、フェニルアラニン残基が配位ヒスチジン残基と芳香間相互作用をし、ヒスチジンと銅イオン間の結合が強められることを見いだした。本結果は、金属イオンの第二配位圏での相互作用が、金属イオンの結合、つまり、金属イオンの認識に重要な役割を果たすと結論づけられた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroko Kodama: "Biochemical Indicator for Evaluation of Connective Tissue Abnormalities in Menkes' Disease"The Journal of Pediatics. 142. 726-728 (2003)
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[Publications] Sachiko Yanagisawa: "Introduction of a π-π Interaction at the Active Site of a Cupredoxin : Charcterization of the Met16Phe Pseudoazurin Mutant"Biochemistry. 42. 6853-6862 (2003)
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[Publications] Hayato Morita: "Heteronuclear NMR and UV-Resonance Raman Studies on the molecular mechanism of Zn^<2+> sensing with cyanobacterial transcription factor, SmtB"J.Inorg.Biochem.. 96. 194 (2003)
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[Publications] Yoshiko Uchida: "Spectroscopic and Electrochemical Properties of the Blue Copper Protein Pseudoazurin H6K Mutant"J.Inorg.Biochem.. 96. 242 (2003)
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[Publications] Takamitsu Kohzuma: "Weak Non-Covalent Interaction between a Coordinated Imidazole and an Aromatic Ring Induces New Insights into Protein Function in the Met16 Pseudoazurin Mutants"J.Inorg.Biochem.. 96. 169 (2003)