2001 Fiscal Year Annual Research Report
気相反応による超アクチノイド元素の化学的性質の研究
Project/Area Number |
13640556
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
工藤 久昭 新潟大学, 理学部, 助教授 (30170004)
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Keywords | 超アクチノイド元素 / 気相反応 / 等温クロマトグラフ / ジピバロイルメタン |
Research Abstract |
本研究は、迅速化学分離法である気相反応を利用し、超アクチノイド元素の化学的性質を調べることである。超アクチノイド元素は生成量が極めて少ないので、原子1個を対象とした化学を考えなくてはならない(atom-at-a-timechemistry)。そのためにまず、それぞれの同属元素について、短寿命核種を用いて極微量での気相化学反応を明らかにし、同じ実験条件での超アクチノイド元素の気相化学的挙動からその化学的性質を調べることとした。 はじめに、104番元素のRfの同属体であるZrとHfについて、放射性トレーサー^<88,95>Zr及び^<175>Hfを用いて、塩化物の等温クロマトグラフ実験を行った。CCl_4とCl_2ガスによる塩素化効率は900℃で約90%と高く、等温クロマトグラムを解析した結果、これらの塩化物の吸着エンタルピーは約100kJ/molと見積もられた。現在、オンライン実験の準備中である。 一方、自発核分裂核種^<252>Cfからの核分裂生成物とβジケトン錯形成試薬であるジピバロイルメタン(dpm)との気相反応について検討した結果、KClエアロゾルを含むHeガスによって輸送された核分裂生成物の内、希ガスなど単原子で揮発性の高いものを除き、反応室内に留まっているのに対し、RuとRhが特異的に揮発性のdpm錯体を形成することが分かった。Ru、Rhはそれぞれ同族の超アクチノイド元素である108番(Hs)、109番(Mt)と似た性質を持つことが予想されので、現在、等温クロマトグラフ法を用いてRu、Rhのクロマトグラフ挙動について詳細に検討を行っているところである。
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Research Products
(2 results)