2002 Fiscal Year Annual Research Report
多重論理的認識能を有する含窒素ヘテロ環蛍光性ホストの開発
Project/Area Number |
13640583
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
岩田 理 成蹊大学, 工学部, 助手 (10223398)
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Keywords | 論理的認識 / 蛍光性化合物 / ホスト-ゲスト化学 / 分子認識 / クラウンエーテル / フルオロファー / ピリドイミダゾピラジン |
Research Abstract |
ピリドイミダゾピラジノフェナントロリン(PIPPh)の合成法について、昨年に引き続いて検討を行った。しかし、収率の向上は達成できなかった。 得られたPIPPhの光学特性を検討した。アセトニトリル中で吸収波長(λmax)は440nmであり、最大吸収波長(270nm)を励起したときの蛍光は465nmに観測された。 次に、PIPPhに金属カチオンを添加したときの光学特性の変化について詳細に検討を行った。Zn^<2+>、Cu^<2+>、Cd^<2+>、Fe^<3+>、Ni^<2+>、Ag^+、Mg^<2+>、Ca^<2+>の金属カチオンを添加して吸収スペクトルを測定したところ非常に複雑なスペクトルを示した。これは、PIPPhに複数の金属配位部位が存在することを示唆している。 PIPPhの類縁体であるピリドイミダゾピラジン(PIQ)、およびピリドイミダゾピラジン(PIP)、クラウンエーテル認識部位を有するPIP-crownについても金属カチオンを添加した時の挙動について検討を行った。PIQにZn^<2+>、Cu^<2+>、Fe^<3+>を添加したところ短波長に新たな吸収が見られた。一方、Na^+、Mg^<2+>では変化が見られなかった。PIP、PIP-Crownでは遷移金属を全く認識せず、PIP-Crownでは既に明らかにしたようにアルカリ金属、アルカリ土類金属を認識した。 このように、PIPPhはフェナントロリン部位と、イミダゾピラジン部位の2カ所でアルカリ土類金属と遷移金属を認識することが明らかとなった。しかし、金属種の差によって蛍光特性をコントロールすることは困難であることが判明した。今後は、アルカリ金属類を認識するクラウンエーテル部位を有する素子の構築を検討する。
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