2002 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子線法を試料導入系とする液体クロマトグラフ質量分析計の試作研究
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13640612
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Research Institution | Oyama National College of Technology |
Principal Investigator |
岸 浩 小山工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (60042529)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 敏博 アネル株式会社, 真空ソリューション事業部, 技術顧問
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Keywords | 高速液体クロマトグラフィー / 質量分析 / 超音速分子加速 / 表面電離 / 電子衝撃 |
Research Abstract |
本課題は、高速有機化合物分子の表面電離法(HSI ; Hyperthermal Surface Ionization)及び電子衝撃法(EI ; Electron Impact)を高速液体クロマトグラフ/質量分析計(HPLC/MS ; High Performance Liquid Chromatography/Mass Spectrometry)に応用する装置の試作研究を行う。HSI法をキャピラリーガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)のイオン源に組み込んだ装置の試作研究(平成9〜11年度、科学研究費補助金基盤研究(B)(1)、課題番号09554052)の継続的課題として、平成13〜15年度の3カ年で実施する。研究初年度に続き、第2年度は以下の研究を実施した。 (1)HSI/HPLC/MS装置のセットアップ: 研究代表者と分担者間の役割分担は、(i)インターフェース部の排気系の検討と設計(岸)、(ii)イオン源のイオン光学的検討(藤井)、(iii)装置の改造、排気系の操作・点検(岸)である。インターフェース部は、HPLCから流出してくる液体から溶媒のみを蒸発させ試料有機分子をMS部に輸送する最も大切な部分である。A. Amirav型をモデルに設計しプロトタイプを試作した。質量分析計は島津(株)製QP5050A型GC/MSを用いている。GCオーブンを用いてHPLCポンプから流出してくる溶媒及び試料化合物を蒸発させ、超音速分子流にシードする方法を用いている。固体表面として、白金(Pt)、イリジウム(Ir)を用いた。MSイオン源に挿入するための部品装置として、平成14年度に購入した直接試料導入装置(QP5050A用DI-50型)を用いた。 (2)HSI/HPLC/MSスペクトルの測定: n-プロピルアミン(n-(C_3H_7)_3N))を試料とし、固体表面をイリジュウム(Ir)を用いて、各種操作条件の検討を始めた。操作条件として、(i)ノズル温度(分子の運動エネルギーに関係する)、(ii)固体表面温度、(iii)HPLC液体流速、などをパラメーターとして、(a)試料の検出感度、(b)バックグラウンドレベル、(c)ノイズレベル、等を検討している。HPLC移動相は水100%を用いている。データの集積途中であり、結果のまとめと投稿までには至っていない。
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