2002 Fiscal Year Annual Research Report
アサガオのトランスポゾン、Tpnの自律型因子の単離・解析
Project/Area Number |
13640615
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
仁田坂 英二 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (60222189)
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Keywords | トランスポゾン / アサガオ / Tpn / Ipompea / AP2 |
Research Abstract |
アサガオの突然変異体のほとんどを誘発しているTpn1ファミリーはトウモロコシのEn/Spmに類似のトランスポゾンであり、全て共通の、両端の28塩基対からなるTIR、その内側の多数の反復配列を含むsubterminal領域、またその内側の自律型因子に由来すると考えられる配列を含んでいる。Tpn1ファミリーは、さらに内部にアサガオゲノム由来の種々の遺伝子、例えばミオシン、βガラクトシダーゼ、AP2B等を持っており、これらの配列から複数のグループに分類される。これらのTpnトランスポゾンは体細胞、生殖細胞を通じて現象レベル、分子レベルにおける解析によって転移している証拠が得られており、Tpnファミリー共通の末端配列を認識して転移を起こすトランスポゼースをコードしている自律型のトランスポゾンを含むと考えられるが、現在まで同定されていない。この自律型のトランスポゾンを単離するために、他の、En/Spmファミリーで保存されている部分のプライマーを設計し、易変性を示す系統由来のmRNAからRT-PCRによって増幅される断片を得た。自律型因子はこれまで得られているTpn1ファミリーより大型の可能性があるためterminal配列を持たなかった。そのため、アサガオの自律型の因子は他の植物で明らかになっているようにゲノムに組み込まれている可能性もある。他の方法として、網羅的に解析したTpn1ファミリーの中で長いORFを持ち、他の植物遺伝子と相同性の無いグループが存在し、これが自律型因子またはその欠失型の可能性があり、この内部配列をプローブにしてより長いTpnを探索している。
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[Publications] 仁田坂英二: "多様なアサガオの変異体と今後の研究展望"農林水産研究ジャーナル. 26. 51-56 (2003)
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[Publications] 石川直子: "アサガオ:園芸植物からモデル植物へ"遺伝別冊. 15. 32-41 (2002)
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[Publications] 仁田坂英二: "アサガオのモデル植物としての特徴と解析法"蛋白質核酸酵素別冊 植物の形づくり. 47(12). 1488-1493 (2002)
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[Publications] 仁田坂英二: "展示批評「伝統のサクラソウ」可憐な伝統"歴博. 114. 30 (2002)
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[Publications] 米田芳秋: "アサガオ類画像データベース(CD-ROM出版)"(財)遺伝学普及会編(印刷中). (2003)