2001 Fiscal Year Annual Research Report
岩礁潮間帯食物網の制御機構に対する生産性と環境ストレスの影響の実験的検証
Project/Area Number |
13640622
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野田 隆史 北海道大学, 大学院・水産科学研究科, 助手 (90240639)
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Keywords | 栄養塩制限 / 植食 / 食物網 / 間接効果 / 環境ストレス / トップダウンコントロール / ボトムアップコントロール / 岩礁潮間帯 |
Research Abstract |
北海道の岩礁潮間帯に成立する海藻-カサガイ(植食者)群集を対象に海藻とカサガイの個体群制御機構におよぼす栄養塩(生産性要因)と乾燥度(環境ストレス要因)の影響を明らかにするために,以下の実験を行っている. まず,岩礁潮間帯に裸地を作成し、栄養塩浸出板を8つ隣接させて設置^<2-4)>する。それらのうち4つに寒天+海水+栄養塩(硝酸ナトリウム+リン酸カリウム)を注入し(栄養塩添加区:+N)、残りに海水+寒天を注入した(栄養塩無添加区:-N)。それらの各2つは銅塗料により、カサガイ侵入を止め(カサガイ除去区:-G)、残りは未操作とした(カサガイ未除去区:+G)。これら+G+N、+G-N、-G+N、-G-Nの各実験区2組のうち、一方には、乾燥ストレス緩和用の灌漑装置を設置し(乾燥ストレス緩和区:+I)、もう一方は未操作とした(乾燥ストレス区:-I)。つまり、1箇所に+G+N+I、+G-N+I、-G+N+I、-G-N+I、+G+N-I、+G-N-I、-G+N-I、-G-N-Iの8実験区が一組になるようにし、これを10組、海岸にランダムにセットし(3way randomaized block design)。2001年10月に栄養塩浸出板を設置・取り替えを行い、季節的に実験を繰り返している。栄養塩浸出板の海藻被度、カサガイの個体数とサイズ、エアーストン内栄養塩濃度、海水栄養塩濃度、エアーストン表面温度、海藻の現場での光合成活性を月2回測定した. 今後,2002年2月と6月に同様の実験を行い,得られたデータをあわせて解析を行う予定である.
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