2002 Fiscal Year Annual Research Report
変動環境下における生物集団の絶滅確率の推定手法の開発
Project/Area Number |
13640637
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Research Institution | Hokkaido Tokai University |
Principal Investigator |
高田 壮則 北海道東海大学, 国際文化学部, 教授 (80206755)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大原 雅 北海道大学, 大学院・地域環境科学研究科, 教授 (90194274)
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Keywords | 変動環境 / 絶滅確率 / 推移行列モデル / 生物集団 |
Research Abstract |
本研究では、変動環境下における生物集団の動態を解析するために多年生林床植物エンレイソウTrillium apetalon(およびオオバナノエンレイソウTrillium camschatcense)の十数年にわたる個体追跡データを利用して解析を行った。また、集団の将来予測の指標である弾性度行列の信頼性を密度依存的推移行列モデルにおいてチェックする方法を開発した。 前者においては、十数年にわたるデータから重要な生活史パラメーター(生存率、繁殖率等)の平均値、分散を推定し、それらの時間的変異が集団の個体数成長率の期待値にどのような影響を与えるかを調べ、それをもとに将来の個体数の増加減少を確率的に予測したその結果、以下の四点が明らかになった。(1)エンレイソウの個体群成長率の分布の平均値はオオバナノエンレイソウよりも低く、平均行列によって求められた個体群成長率とは逆の関係を示した。(2)エンレイソウの個体群成長率の分布の分散はオオバナノエンレイソウよりも大きい。(3)エンレイソウの個体数が50年後に初期個体数の30%以下に減少する確率は75.6%であるのに対して、オオバナノエンレイソウのその確率は0%であった。(4)両種ともに、個体数の減少に大きく寄与する行列要素は、感受性の高い行列要素とは異なっている。 後者においては、理論的に求められた平衡状態における弾性度行列と実際に変動するダイナミクスの場合の弾性度行列の値を求め、比較検討を行った。その結果、密度依存性の程度と生活史パターンに大きく依存して食い違いの程度が変わることが分かった。密度依存性のパターンがBeverton-Holt型の場合には食い違いが少ないのに対して、Ricker型の場合には大きくなる。また、生活史パターンが一回繁殖型でかつ成長が早い生物では、弾性度行列の理論値は信頼度が減少することが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ohara, M., Takada, T., Kawano, S.: "The demography and reproductive strategies of a polycarpic perennial, Trillium apetalon (Trilliaceae)"Plant Species Biology. 16. 209-217 (2001)
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[Publications] Tomimatsu, H., Ohara, M.: "Effects of forest fragmentation on seed production of the understory herb Trillium camschatcense"Conservation Biology. 16. 1277-1285 (2002)
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[Publications] Tomimatsu, H., Ohara, M.: "Genetic diversity and local population structure of fragmented populations of Trillium camschatcense (Trilliaceae)"Biological Conservation. 109. 249-258 (2003)
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[Publications] Caswell, H., Takada, T.: "Elasticity analysis of density-dependent, strix population models : the invasion exponent and its substitutes"Journal of Theoretical Biology. (In press).