2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13640643
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩崎 俊介 新潟大学, 理学部, 助教授 (00201947)
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Keywords | 核タンパク質 / インポーティンα結合タンパク質 / 光応答遺伝子発現 / タンパク質間相互作用 / イネ / TPR配列 / 核局在化シグナル |
Research Abstract |
本研究は、植物の光環境応答に関わる新奇核タンパク質の同定を目的として、暗所で強く発現し、光照射により発現が低下する核輸送装置成分であるイネインポーティンα1a(IMPα1a)が結合する新奇タンパク質IABP4の機能の解明を目指している。当初計画の実施状況とその成果は以下の通りであるが、下記3.の項目に力を注いだため、1.および2.の項目が達成できなかった。 1.核局在性の検証:昨年度作製したIABP4抗体を用いて、間接蛍光抗体法やウェスタンブロット法によって細胞内局在性を確かめる実験は、下記2.の項目と合わせて今後早急に行う予定である。 2.発現様式の解析:半定量的RT-PCRおよびウェスタンブロット法を用いて、IABP4の発現に及ぼす光の影響や組織特異性を調べる計画であったが、手をつけられなかった。 3.植物体における機能の解析:シロイヌナズナにも2番染色体上にIABP4と高い相同性を示す遺伝子が存在する。これら植物のIABP4タンパク質は、N末端側領域ではマウスのリン酸化核タンパク質TSPと相同性を示すが、TSPの機能を決めていると思われるC末端部分での相同性が低く、植物のIABP4がTSPと同じ機能を持つとは考えにくい。そこで、植物のIABP4の機能を探る手掛かりとなるT-DNA挿入変異株を求めて、かずさDNA研究所のシロイヌナズナタグラインをスクリーニングした。その結果、1ラインの挿入変異株を同定し、種子の分譲を受けた。Salk研究所のT-DNA挿入ラインから別途入手した4ラインと合わせ、計5ラインの表現形を調べたが、少なくとも明暗周期で生育させた場合は、野生型との違いは見られなかった。今後、用いた種子がホモ個体であるかどうかの確認と、暗黒下で生育時に表現形に違いが出ることを期待して詳細な検討を行う予定である。
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