2001 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナのCDK inhibitorの機能解析
Project/Area Number |
13640648
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
関根 政実 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (70226653)
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Keywords | 細胞周期 / シロイヌナズナ / CDK inhibitor / 器官特異的発現 / サイクリン / ヒストンH1キナーゼ |
Research Abstract |
データベース検索によりシロイヌナズナには7種類の構造上類似したCDK inhibitor遺伝子(KRP1〜7)が存在することが判明し、RT-PCR法によりすべての遺伝子の単離に成功した。KRP1〜7遺伝子の発現をRT-PCR法により解析した結果、すべての遺伝子が発現し、ある器官でのみ発現する遺伝子も認められた。次に、KRP1〜7遺伝子のアンチセンス遺伝子を構成的および誘導的に発現するベクターの構築を行い、floral dip法によりシロイヌナズナColombia株に形質転換し、現在各形質転換体の選抜を行っている。 次に、KRPと他の細胞周期制御因子との相互作用を解析するために、in vitro転写翻訳系を用いて[35S]メチオニンで標識した7種類のKRPタンパク質を調製し、一方で昆虫細胞発現系から(His)6-tagを付加したサイクリンとCDKタンパク質を調製した。アフィニティーカラムを用いて、それぞれのKRPと細胞周期制御因子との結合を解析した結果、KRP1〜6はサイクリンD2/CDKA複合体およびサイクリンD4/CDKB2複合体と結合したが、KRP7は結合が検出できなかった。サイクリンD2、CDKA、CDKB2単独のタンパク質を用いて同様に実験を行ったところ、いずれの場合にも結合は認められず、少なくともKRP1〜6に関しては、サイクリン/CDK複合体に対する結合が単独のサイクリンやCDKに対する結合よりも強いことが示唆された。次に、ヒストンH1を基質としたリン酸化実験系を用いて、KRPの阻害活性をin vitroで解析した。昆虫細胞発現系によりキナーゼ活性を有するシロイヌナズナのサイクリンD2/CDKA複合体を調製し、一方で大腸菌発現系を用いて可溶化されたKRP2、6、7タンパク質を精製した。サイクリンD2/CDKAに対する阻害活性を評価したところ、これらのKRPはすべて量依存的に阻害活性を示したが、KRP2とKRP6は高い阻害活性を示すのに対し、KRP7はそれらと比べて弱い阻害活性を示すことが分かった。
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Research Products
(1 results)