2001 Fiscal Year Annual Research Report
変異株作成による光合成細菌中における各種カロテノイドの機能評価
Project/Area Number |
13640656
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
嶋田 敬三 東京都立大学, 理学研究科, 教授 (80112473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永島 賢治 東京都立大学, 理学研究科, 助手 (80264589)
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Keywords | カロテノイド / 紅色光合成細菌 / 光障害 / スフェロイデノン / スピリロキサンチン / Rubrivivax gelatinosus |
Research Abstract |
本年度は紅色光合成細菌のカロテノイド生合成の各ステップの変異株を作成し、さらに主要なカロテノイド分子種について機能を推定するために2重欠損株/遺伝子導入株を作成しその生理特性を調べた。 1.紅色光合成細菌に見られる2系列の主要カロテノイド生合成経路を併せ持つRubrivivax gelatinosusを用いてカロテノイド合成酵素欠損株の作成を行った。既に作成済みのファイトエン不飽和化酵素(CrtI)に加えニューロスポレン/リコペン水酸化酵素(CrtC),スフェロイデン酸化酵素(CrtA)の欠損株を作成した。また、単一のカロテノイド分子種のみをもつ変異株作成のために小複数のカロテノイド合成遺伝子欠損株を作成した。すなわち、スクロース重合酵素遺伝子を用いる方法によりCrtI/CrtAおよびCrtI/CrtC2重欠損株を作成する事が出来た。このうちCrtI/CrtA欠損株に特異性の高い他種のCrtIを導入することにより、カロテノイドとしてスフェロイデンのみを持つ株を作成することも出来た。また、この方法により他のカロテノイド分子種の生理機能測定に有用な変異株を得る見通しもつけることが出来た。 2.上記CrtI/CrtA欠損株と、スフェロイデンに加えてスピリロキサンチンも含有するCrtAのみの欠損株について、いくつかの条件下で野生株と生長を比較したところ、酸素存在下強光照射下でCrtI/CrtA欠損株の成長が阻害されることが示された。これらの結果からCrtAによりスフェロイデンから合成されるスフェロイデノンは酸素存在下強光下で発生しやすい活性酸素あるいはバクテリオクロロフィルの励起状態の解消に有意であり、スピリロキサンチンもこの活性を持つことが示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原田二朗 永島賢治, 高市真一, 三沢典彦, 松浦克美, 嶋田敬三: "Phytoene desaturase, CrtI, of the purple photosynthetic bacterium, Rubrivivax gelatinosus, produces both neurosporene and lycopene"Plant and Cell Physiology. 42. 1112-1118 (2001)
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[Publications] 五十嵐直樹, 原田二朗, 永島咲子, 松浦克美, 嶋田敬三, 永島賢治: "Horizontal transfer of the photosynthetic gene cluster and operon rearrangement in purple bacteria"Journal of Molecular Evolution. 52. 333-341 (2001)
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[Publications] 平石 明, 嶋田敬三: "Aerobic anoxygenic photosynthetic bacteria with zinc-bacteriochlorophyll"Journal of General and Applied Microbiology. 47. 161-180 (2001)