2001 Fiscal Year Annual Research Report
単細胞緑藻に含まれるCW型およびDO型グループの微細構造と分子系統
Project/Area Number |
13640694
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
渡邊 信 富山大学, 教育学部, 教授 (10126500)
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Keywords | 緑藻 / 微細構造 / 分子系統 |
Research Abstract |
平成13年度の研究内容の概要は主に次のとおりである。 1.Chlorosarcinopsis属(7種)とNeochlorosarcina属(4種)の分子系統 分子系締学的解析によりChlorosarcinopsis属は2のグループに別れ、Neochlorosarcina属はChlorosarcinopsis属とは離れた単系統の枝を形成した。この結果はGroover&Bold(1969)によって示されたように特定の窒素および炭素化合物の利用によるグループ分けとほぼ一致するものであり、生理的能力の違いに系統的意味を与えることになった。また薄い細胞壁をもつNeochlorosarcina属は細胞壁をもたないChlorosarcinopsis属から分離されたものであり、細胞壁の形態学的な特徴も系統を反映していることが示唆された。 2.Hemiflagellochloris kazakhstanica gen. et sp. nov. カザフスタンの農場の土壌から分離された緑藻の形態観察と分子系統解析を行った。栄養細胞は単細胞性であり、遊走子は細胞壁をもち、2本の鞭毛のうち片方は他方の半分の長さしかなく、透過型電子顕微鏡観察で鞭毛装置の微細構造は時計回り型(CW型)であることが明らかになった。また18SrDNAの塩基配列からCW型に属すこと、さらにVolvoxクレードの一員であることが示唆された。鞭毛の長さがこれほどまでに異なる緑藻は今まで知られていないので、新属新種とすべきであると考えている。
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