2003 Fiscal Year Annual Research Report
単細胞緑藻に含まれるCW型およびDO型グループの微細構造と分子系統
Project/Area Number |
13640694
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Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
渡邊 信 富山大学, 教育学部, 教授 (10126500)
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Keywords | 微細構造 / 分子系統 / 緑藻 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
1.不等長鞭毛をもつHeteroetracystis属とFasciculochloris属の系統関係。 Heterotetracystis akinetos(UTEX1675),Heterotetracystis sp.(YAW80),Fasciculochloris boldii(UTEX1451)は遊泳細胞のもつ2本の鞭毛は時計回り型(CW型)に発出し、鞭毛の長さは互いに不等長である。18SrDNAと28SrDNAによる系統解析で、H.akinetosとF.boldiiはChlamydomonas rapaおよびC.bacaとともにFasciculochloris lineageに含まれ互いに近縁だが、両者の不等長鞭毛はこのlineage内で派生したと推定された。またHeterotetracystis sp.の遊泳細胞の特徴はHeterochlamydomonasに一致し、既知種と単系統(Heterochlamydomonas lineage)を形成した。Fasciculochloris lineageとHeterochlamydomonas lineageはCWグループのなかで姉妹群を形成した。 2.Chlamydomonas monticola(80-4)の系統と分類 C.monticolaの形態を精査したところ、2本の鞭毛は不等長で、遊泳細胞はHeterochlamydomonasに属するが、核の位置が既知種と異なっていた。18SrDNAと28SrDNAをもちいた系統解析にょり、既知種のクレードと姉妹群になることからC.monticolaを移動しHeterochlamydomonas monticolaとすることを提案した。 3.Planktosphaeria属の系統 Planktosphaeria gelatinosa、P.maxima、P.botryodiesの遊泳細胞の鞭毛は直列配列(DO型)で、Sphaeroplealesに含まれることが明らかになったが、18SrDNAによる系統解析で3種はBracteacoccus属に近縁であることが示唆された。Planktosphaeria属とBracteacoccus属は多数の円盤状葉緑体をもつことが共通しており、この点で他のSphaeroplealesの属と異なる。Sphaeroplealesでは葉緑体が円盤状のものと側壁状のものとが比較的早く分化し、円盤状の系統からPlanktosphaeria属とBracteacoccus属が分かれたと推定される。
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