2002 Fiscal Year Annual Research Report
節足動物の卵巣形態および卵形成様式の多様性と進化に関する研究
Project/Area Number |
13640695
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮崎 勝己 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20263064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安藤 準 鶴見大学, 歯学部, 助手 (00282765)
八畑 謙介 筑波大学, 生物科学系, 講師 (70302370)
塘 忠顕 福島大学, 教育学部, 助教授 (80282250)
生田 享介 大阪教育大学, 教育学部, 助手 (30299367)
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Keywords | 節足動物 / 卵巣 / 卵形成 / 多様性 / 進化 / 比較形態学 / 組織学 / 微細構造学 |
Research Abstract |
鋏角類については、ウミグモ類の生殖巣の血体腔中での位置が、他の節足動物と基本的に異なることを示した(Miyazaki & Pass,2002,in press)。また蛛形類メクラツチカニムシの卵巣構造の発達を組織学的に観察し、年一世代の生活史と対応した形態変化を示すことを明らかにした。 昆虫類については、カゲロウ目のコカゲロウ類9種を用い、卵巣構造と卵形成様式を組織学的及び微細構造学的に調べ、H型の卵巣構造がコカゲロウ類に広く共通している事、卵胎生種と卵生種とでは卵形成過程に違いがある事を明らかにした。またカマキリ目オオカマキリとコカマキリの若齢幼虫の卵巣を組織学的に観察し、カマキリ目の卵巣型が無栄養室型である事や卵母細胞及び卵巣小管の分化の時期を明らかにしたが、これはこの目と近縁と考えられる2002年に新発見されたマントファスマ目との比較という意味で重要な知見である。 甲殻類については、成体の卵巣構造が鋏角類に類似する、介形類ウミホタルの卵巣の後胚発生について組織学的に観察し、亜成体でみられた卵原細胞が成体では消失することを突き止めた。また十脚類のザリガニ類について、卵巣の概形と卵形成の概要を現生の代表的な科で比較し、卵巣の形状には♂の外部生殖器による区分と対応した違いがみられるが、卵巣の組織学的特徴と卵形成様式は、基本的に共通であることを明らかにした。 多足類については、ヤスデ類のうち、卵巣構造に鋏角類に似た特徴があるとの報告があるヒメヤスデ目、昆虫類に似るとの報告があるヒキツリヤスデ目、これら2目と同じヒメヤスデ上目に属するが過去の報告が全くないフトヤスデ目の3群について、それぞれの代表種の卵巣を組織学的に観察し、その卵巣構造と卵形成様式はいずれも非常によく類似し、その特徴は鋏角類とも昆虫類とも異なり、他のヤスデ類のものと基本的に同じであることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Katsumi Miyazaki, Gunther Pass: "Morphology of the circulatory system in a sea spider, Ammothella biunguiculata (Pycnogonida, Ammotheidae), with special reference to the cephalic region"European Arachnology 2002. (印刷中).
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[Publications] Katsumi Miyazaki, Gunther Pass: "Morphology of the circulatory system in a sea spider, Ammothella biunguiculata (Arthropoda. Pycnogonida)"Zoological Science. 19(12). 1429-1430 (2002)
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[Publications] Tadaaki Tsutsumi, Ayuki Takahashi: "Post embryonic development of the gonads in a baetid mayfly, Cloeon dipterum (Linnaeus)(Insecta, Ephemeroptera, Baetidae)"Zoological Science. 19(12). 1424 (2002)