2001 Fiscal Year Annual Research Report
炭化シリコンへイオン注入された窒素およびリンの置換格子位置の同定と電気的活性化
Project/Area Number |
13650019
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
佐藤 政孝 法政大学, イオンビーム工学研究所, 助教授 (40215843)
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Keywords | 炭化シリコン / 窒素イオン注入 / リンイオン注入 |
Research Abstract |
今年度の研究計画に沿って、1.炭化シリコンの購入、2.イオン注入用ガスの購入、3.購入した炭化シリコンへのリンおよび窒素の注入(注入量:5x10^<14>から3x10^<15>/cm^2)、4.注入した試料の熱処理(1000から1500℃)を行い,注入された不純物の電気的活性化およびイオン注入層の結晶性について詳細に調べた. リンイオン注入試料において、不純物の電気的活性化を表すキャリア濃度は、イオン注入量の増加とともに増加する傾向にあることがわかり、3x10^<15>/cm^2のリンイオン注入量に対して4x10^<14>/cm^2のキャリア濃度が得られた.しかしながら,窒素イオン注入試料においては、イオン注入量の増加とともにキャリア濃度が減少する傾向があきらかになった。3x10^<15>/cm^2の窒素イオン注入量に対して4x10^<13>/cm^2のキャリア濃度が得られている。この結果は、高濃度窒素が分子を形成し不活性になるとの従来の示唆と矛盾しない. 従来炭化シリコンへイオン注入された不純物の活性化には1500℃以上の熱処理が必要とされていたが,本研究において、イオン注入層を非晶質とする3x10^<15>/cm^2のリンを注入した場合,1000度で熱処理した場合にもっとも高いリン不純物の活性化が得られ,7x10^<14>/cm^2のキャリア濃度が得られた。一方、イオン注入層が非晶質化していない場合には不純物の活性化は熱処理温度とともに増加した。 イオン注入層が非晶質化している場合,1000度の熱処理ですでにイオン注入層は良質な結晶に回復しているが,非晶質化していない場合には、熱処理温度の増加とともに欠陥が消滅する過程がイオン散乱法から明らかになっている.この結果は、上記の不純物の活性化過程とよく一致する。 本年度研究より、次年度予定の不純物の格子位置の同定実験のための試料条件を確定することができた。
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