2003 Fiscal Year Annual Research Report
有機色素のJ会合状態を用いた病原性細菌検出膜の構築
Project/Area Number |
13650032
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
大川 春樹 工学院大学, 工学部, 助教授 (50221122)
|
Keywords | 自己組織化単分子膜 / 表面プラズモン共鳴 / ヘミシアニン / アルカンチオール誘導体 / 光第2高調波発生 / 色素配向 |
Research Abstract |
自己組織化単分子膜と細胞膜の類似性を利用した、病原性細菌検出膜の構築を試みた。吸着部位であるオリゴ糖および表示部位である色素分子を含む自己組織化単分子膜を構築し、細菌の吸着→膜の配向の変化→色素の光学的性質の変化により細菌を検出する膜である。まず、ヘミシアニン色素を置換基として含むアルカンチオール誘導体を合成し、その自己組織化単分子膜の構築を試みた。測定は、正面プラズモン共鳴(SPR)測定装置を自作して行った。合成したアルカンチオール誘導体はその希薄溶液中で、金表面上に吸着され数分で自己組織化単分子膜を形成することが分かった。しかしながら、色素であるヘミシアニンがもつアルキル置換基をブチル基からメチル基へと替えると、その吸着挙動は大きく変化した。生成した自己組織化単分子膜の構造をさらに詳しくSPRや光第2高調波発生により調べたところ色素の吸着量はメチル置換基の色素の方が多いにもかかわらず、膜の配向性はブチル置換基の方が良いことが分かった。これらの置換基が自己組織化単分子膜表面にでていることから、膜表面の状態により色素の配向が変わることが分かった。つまり、もし細菌等が膜表面に吸着した場合も色素の状態が変化することが期待できる。次に吸着部位である糖を含むアルカンチオール誘導体を合成した。色素の場合と同様にその自己組織化単分子膜の形成について調べたところ単分子膜を形成することが分かった。現在、これらの複合化自己組織化単分子膜の構築を試みている。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Okawa, Haruki, Ikezawa, Hiroki, Hashimoto, Kazuhiko.: "Synthesis and characterization of an alkanethiol thin film containing a hemicyanine dye."Molecular Crystals and Liquid Crystals Science and Technology, Section A : Molecular Crystals and Liquid Crystals. 377. 137-140 (2002)
-
[Publications] Kajikawa, K, Naraoka, R, Okawa, H, Ikezawa, H, Hashimoto, K.: "Preparation and optical characterization of hemicyanine self-assembled monolayer on Au substrate"Molecular Crystals and Liquid Crystals Science and Technology, Section A : Molecular Crystals and Liquid Crystals. 377. 277-283 (2002)