2001 Fiscal Year Annual Research Report
電気抵抗変化を用いたプラグ&モニター型剥離損傷診断CFRP構造システム
Project/Area Number |
13650075
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
轟 章 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (50211397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島村 佳伸 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (80272673)
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Keywords | CFRP / 層間はく離 / モニター / 損傷 |
Research Abstract |
構造ヘルスモニタリングは知的構造の中で,重要な技術課題の一つであり,多大なメンテナンスコスト削減の可能性を有しており,特にCFRP複合材料積層板では,工具落下などの軽微な衝撃によって目視できない層間はく離が発生し,圧縮剛性,強度が低下するため,はく離によって,CFRP積層構造物の信頼性は低下してしまい,構造信頼性向上の観点からもCFRP積層構造のヘルスモニダリングは重要である.既存構造や大型構造のヘルスモニタリングでは,センシングではなく,データ管理が極めて重要かつ緊急な課題となっており,その中でも収集したデータから損傷発生を検知する判断部分の開発が急務となっている.本研究では,センサー(ここではCFRPに設置されたリード線)をプラグインするだけで自動的に学習が開始され,統計的判定によって既存大型構造の損傷発生検知の判断が低コストで可能となるシステムに着目し(プラグ&モニター型),その具体的な開発を実施することを目的としている.平成13年度は,小型試験片を用いて,電気抵抗変化の測定値から統計的に損傷発生(層間はく離)を検知するシステムの作成をおこなった.CFRP梁およびCFRP平板を作成し,電極銅箔を一体成形させ,複数設置した.この薄板構造に層間せん断試験を実施してはく離を発生させ,はく離後に電気抵抗変化をLCRメータで実測した.得られた結果から,マハラノビス距離を用いた統計的判別分析によってはく離の位置と大きさを判定する手法を適用し,判断部分のモデル化無しではく離の位置と大きさを同定する判断システムの有効性を検証した.その結果,離散的な位置判定には非常に有効であることが明らかになった.大きさの判定には連続量を応答曲面で近似する手法が有効であることが明らかになった.
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