2002 Fiscal Year Annual Research Report
複合粒子分散相によるポリマーアロイの材料特性設計と創製
Project/Area Number |
13650094
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
萩原 世也 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (80198647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東藤 貢 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (80274538)
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Keywords | ポリマーアロイ / 粒子分散 / 複合材 / クリープ / 損傷 / き裂 / 有限要素法 / はく離 |
Research Abstract |
エポキシ樹脂およびポリメタクリル酸メチル(以下PMMAと呼ぶ。)は代表的な高分子材料であるが、どちらの材料も常温において靭性が低いという欠点を持っているため,破壊靭性を向上させることを目的として、微細なゴム粒子をPMMAに分散させる研究が進んでいるが、破壊靭性の向上のメカニズムの解明や材料特性のモデリングが出来ていない.本研究ではゴム粒子を分散させたゴム強化エポキシ樹脂(Rubber Modified Epoxy, RME),ゴム強化PMMA(Rubber Toughened PMMA, RT-PMMA)のポリマーアロイについて、破壊靭性の向上のメカニズムの解明と,材料特性のモデリングを行い,実験と解析両面から定量的な評価を行うことにより、RMEおよびRT-PMMAの材料特性の把握を目的とする. また,エポキシ樹脂を用いた高分子複合材料(ポリマーアロイ)であるゴム粒子分散エポキシ樹脂(RME, Rubber-Modified Epoxy)は,クリープ変形を生じる温度が低く,耐熱もしくは熱が生じるような状況下で使用する際にはクリープに関する特性を把握しておく必要があるがクリープに関する特性はあまり知られておらず,特にクリープ状況下のき裂に対する破壊力学的研究はダメージに関するものを含めてほとんどない.以下のような実験と解析を行った.今年度は,ゴム粒子分散エポキシ樹脂のクリープ及びクリープ破壊試験を行い,クリープ状況下における材料挙動の材料特性評価とき裂先端部の粒子の状態について調べ,エポキシ樹脂のクリーフ状況下での損傷についての考察を行い,実験により得られたクリープ曲線について損傷を考慮し近似式を作成した. 定常クリープ解析によって得られた係数を用いて,空孔分散モデル,空孔を増加させたモデルの解析を行い,空孔増加に伴う時間とクリープひずみの関係が得られた.空孔増加に伴う時間とクリープひずみ速度の関係より得られた時間と空孔面積の関係,時間と損傷開始時間の関係を用い,最大破断応力の50,60,70,80%の荷重による単軸クリープ試験結果より損傷式を作成することができた.損傷を考慮したクリープ構成式を用い,実験結果に対して曲線的に近似することができた.
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Research Products
(1 results)