2001 Fiscal Year Annual Research Report
SMA繊維によるCFRP製圧力容器の耐圧強度の向上と損傷同定
Project/Area Number |
13650102
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
邉 吾一 日本大学, 生産工学部, 教授 (90060079)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 義男 日本大学, 理工学部, 助教授 (30184047)
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Keywords | CFRP / 圧力容器 / 形状記憶合金 / 耐圧強度 / 加圧実験 / 有限要素法 / 最適設計 |
Research Abstract |
本研究の目的はSMA(形状記憶合金)繊維を用いて、CFRP製圧力容器の耐圧強度の向上と容器の簡便な損傷同定手法を確立することである。1年目の今年度は、圧力容器の耐圧強度を向上させるために、以下に示す項目について研究成果を得た。 1.SMA繊維による耐圧強度の向上を確認するため、まず等方性アルミ中空円筒の加圧試験を行い、高温(460℃)で30分間の加熱よって0.3%の圧縮ひずみ与えたSMA繊維をアルミ中空円筒の周方向に巻いた場合の耐圧強度は、巻かない場合に比べて66%増加し、耐圧強度の向上を確認した。この理由は、中空円筒の周方向に巻いたSMA繊維の圧縮応力が加圧により生じた周方向引張り応力を軽減したためで、破断方向も周方向応力による中空円筒の軸方向の破断から軸方向応力による中空円筒の周方向の破断に変化した。 2.フィラメントワインディング装置を用いてCFRP円筒を成形し、SMA繊維をCFRP円筒に巻き付けてCFRP円筒の耐圧強度を求めたが、この場合も巻き付けない場合に比べて耐圧強度が上昇することを実験的に明らかにした。しかし、等方性アルミ中空円筒の場合と違って、耐圧強度の増加量及び破壊モードは円筒成形時のCFRP材の配向角、SMA材の巻き角度の関数となり、最適なCFRP配向角とSMA繊維の巻き角度を明らかにするため、実験を継続中である。 3.SMA繊維によるCFRP製圧力容器の耐圧強度の向上を解析的に明らかにするために、CFRP円筒をSHELL要素、SMA繊維はBEAM要素を用い、SMA繊維の記憶した圧縮ひずみを線膨張係数と負の温度でモデル化した解析を有限要素法で行い、実験結果と比較的良い一致を得た。 本年度の主要な成果は日本機械学会第8期関東支部講演会及び日本材料学会第31回FRPシンポジウムで講演発表され、近日中に材料学会に投稿予定である。
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