2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650104
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Research Institution | Aichi Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸伏 壽昭 愛知工業大学, 工学部, 教授 (70103231)
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Keywords | 形状記憶合金 / 形状記憶ポリマー / 疲労寿命 / 形状記憶効果 / 超弾性 / マルテンサイト変態 / R相変態 / ガラス転移 |
Research Abstract |
形状記憶合金および形状記憶ポリマーを長期間使用した場合の機能特性に関して、熱・力学経路への履歴依存性を実験的に調べた。得られた結果の要点は次の通りである。(1)形状記憶合金に関しては、TiNi形状記憶合金の疲労特性を主に回転曲げ疲労試験により検討した。その結果、疲労寿命は繰返し速度およびひずみ比に依存することを確かめた。(2)繰返し速度が高い場合、材料の温度上昇が大きく、このためにマルテンサイト変態応力が高くなり、この結果疲労損傷が大きくなり、疲労寿命が短くなる。(3)形状記憶合金線材の曲げ疲労に対するひずみ比の影響を調べることのできる片振り曲げ疲労試験機および両振り曲げ疲労試験機を製作した。両試験機により疲労寿命特性が検討できることを確認した。(4)ひずみ比が異なると同じひずみ振幅であっても最大ひずみは異なる。TiNi形状記憶合金ではマルテンサイト変態の他にR相変態が現れる。このため、疲労寿命の評価は単純には行えない。R相変態ではひずみおよび変態応力が小さく、このために疲労寿命が非常に長く、1千万回の繰り返しでも破断しない。したがって、高サイクルで使用する場合には、R相変態域で使用すると長寿命が得られる。(5)ポリウレタン系形状記憶ポリマーに関しては、フォームを長期間使用した場合の特性の変化を検討した。高温で変形させ、その後に冷却して形状を固定した。与えるひずみおよび形状固定の保持時間を種々に変化させ、その影響を調べた。その結果、6ケ月経過しても形状固定率は99%以上、形状回復率は98%以上であり、良好な機能特性を示すことを確かめた。(6)高温でひずみを長期間保持した場合、ひずみが大きくなると非回復ひずみが現れる。したがって、実用においては形状の保持条件に注意することが重要である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 戸伏壽昭, 奥村佳代, 遠藤雅人, 井川毅信: "TiNi形状記憶合金の変形特性"日本機械学会講演論文集. No.018-2. 261-262 (2001)
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[Publications] 戸伏壽昭, 林俊一, 遠藤雅人, 島田大介: "ポリウレタン系形状記憶ポリマーフォームの変形"日本機械学会講演論文集. No.018-2. 263-264 (2001)
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[Publications] H.Tobushi, K.Okumura, M.Endo, K.Tanaka: "Deformation behavior of TiNi shape memory alloy under strain-or stress-controlled conditions"Smart Structures and Materials 2002: Active Materials : Behavior and Mechanics. SPIE4699. (2002)
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[Publications] 戸伏壽昭, 遠藤雅人, 井川毅信, 島田大介: "TiNi形状記憶合金のサブループにおける擬粘弾性挙動"日本機械学会講演論文集. No.023-1. 251-252 (2002)
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[Publications] 戸伏壽昭, 堀川宏, 島田大介: "超弾性および高弾性のNiTi合金の変形特性"日本機械学会講演論文集. No.023-1. 277-278 (2002)
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[Publications] 戸伏壽昭, 林俊一, 遠藤雅人: "ポリウレタン系形状記憶ポリマーフォームの形状固定後の変形特性"日本機械学会講演論文集. No.023-1. 279-280 (2002)