2002 Fiscal Year Annual Research Report
高機能型ラム波用電磁超音波探触子による非破壊評価方法高度化に関する研究
Project/Area Number |
13650108
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
村山 理一 福岡工業大学, 工学部, 教授 (20330946)
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Keywords | 超音波探傷 / ラム波 / 電磁超音波探触子 / 薄板 / 接触媒質 |
Research Abstract |
薄板の超音波探傷には定在波の一種であるラム波が広く用いられている。現状は圧電振動子を利用するタイヤ探触子で探傷が実施されているが、接触媒質(油等)が必要な為に発生する課題があり、また探傷能力が不十分であった。この解決法として接触媒質が不要な電磁超音波探触子が研究されているが、従来は駆動条件に関わらず単一モードのラム波しか送受信できなかった。ラム波は横波と縦波の混合波で進行面に対し対称(S)、反対称(A)に振動するモードが存在し、周波数が高くなるにつれて高次モードも発生する。各モードとも横波・縦波の混合比が異なるため面内・面外の振動分布も変わり、傷種・傷位置による反射率が変化する。すなわち傷の状態に影響しない探傷を実現するためには,複数モードを同時、或いは選択的に変更して送受信することが極めて有効である。同様のことはラム波波長が変わった場合も当てはまると考えられる。そこで電磁超音波探触子内のセンサコイルの導線間隔を狭くし、高周波化して複数モードのラム波を同時に或いは選択的に容易に送受信でき、また多波長のラム波を送受信できる電磁超音波探触子を研究開発する。 本研究では、まず電磁超音波探触子の駆動力を模倣したラム波発生伝搬挙動プログクムを作成し、各仕様の櫛形センサコイルを用いた場合、どのようなモード・波長のラム波が発生するか検討した。その結果、センサコイルの電極間間隔を短くすると、複数のモードが発生しやすくなり、また多波長のラム波も発生することを確認した。 次に、電極間間隔10、5、4、2、1、0.5mmの櫛形センサコイルを試作し、また共鳴条件を0.5MHz、1.0MHz、2.0MHzと変更し、全ての組み合わせについて受信信号波形を評価した。その結果、電極間間隔2mm以下の場合、共鳴条件との組み合わせにより、多波長・多モードラム波の発生条件を確定できたまた確定した。各多波長・多モードラム波について、波長毎、モード毎の欠陥検出特性につて評価し、各々特有の特性を持っていることを確認した。 更に確定したS、Aモードラム波について、送信用電磁超音波探触子のみを鋼板を挟んで両側駆動実験を行った。その結果両側同相駆動ではSモード受信信号強度が最大になり、Aモード受信信号強度が最小になることがわかり、S、Aモード選別の可能性を示すことが出来た。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Murayama, K.Mizutani: "Development of an Electromagnetic Acoustic Transducer with Multi-Wavelength for Lamb wave"Jpn.J.Appl.Phys. 41(5B). 3534-3538 (2002)
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[Publications] R.Murayama, K.Mizutani: "Conventional electromagnetic acoustic transducer development for optimum lamb wave modes"Ultrasonics. 40(1). 491-495 (2002)