2003 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光干渉法によるシリコン単結晶平面ミラーの絶対形状測定法の研究
Project/Area Number |
13650119
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
打越 純一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90273581)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 尚一 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20029317)
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Keywords | 干渉計 / 平面度 / 近赤外 / 絶対形状 / 位相シフト / シリコン / 部分コヒーレント / コヒーレンス長 |
Research Abstract |
本研究の目的は、放射光用ミラーなどに用いられる単結晶シリコン平面ミラーの絶対形状精度を、近赤外のレーザーと検出器を用いた干渉法で3面合わせを行うことによって、ナノメートルの高い精度で測定することにある。シリコンは可視光に対して不透明であるためシリコンを透過参照面として干渉測定を行うことができないので、シリコンに対して透明な波長1315nmの近赤外半導体レーザーを光源とし、この近赤外域で感度を持つ近赤外CCDカメラを受光器とした近赤外位相シフトフィゾー干渉計を開発した。前年度までに、従来の可視干渉計では不可能であったシリコン平面ミラーを透過参照面とする干渉縞の観察を実現している。しかし、シリコンは近赤外域でも屈折率が高いため、反射率が高く、そのままでは多光束干渉となって、干渉縞歪みを生じ、位相シフト法で形状測定を行うと、測定誤差を生じる。そこで、2光束干渉に近づけるために、試料に反射防止膜として酸化膜を形成して、干渉縞歪みを抑制できることを確かめた。また、3面合わせ法の測定精度を調べるため可視干渉計を用いた3面合わせ法により3枚のオプティカルフラットの中心線の真直度測定を行った。その結果、各面の絶対真直度の確からしさは最大最小高さ(PV値)で5nmであった。本年度は、参照面を光軸方向に走査して生じた近赤外光干渉縞の強度分布を近赤外CCDカメラおよび画像取得ボードで測定し、位相シフト干渉法による平面度測定を行った。シリコン平面ミラーの干渉における多光束干渉を抑制する方法として、光源の半導体レーザーが部分コヒーレント光であるためコントラストがキャビティー長と共に低下する点に着目し、キャビティー長を最適な長さにすることによって、理想に近い2光束干渉を実現した。その結果、干渉計の測定再現性としてλ/200以下のPV値6.38nmを得た。
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