Research Abstract |
本研究は,粗粒ダイヤモンド砥石によるファインセラミックの高能率研磨レス超平滑研削法の構築を目的として,ファインセラミックの超平滑研削機構を解明し,その高能率化を計ろうとするものである.本年度は,粒度#140の粗粒ダイヤモンド砥石による炭化けい素セラミックの超平滑研削面形成条件を実験的に検討した. 1)超平滑研削面形成条件の実験的検討 (1)砥石作業面自動処理評価システムの改良 ファインセラミックの延性モード仕上面形成には,研削条件(砥石切込み,テーブル速度,砥石周速度),研削液等の研削条件の他,砥石作業面性状(切れ刃の分布・磨耗状態)が大きく影響するが,その影響を明確にするのには,砥石作業面性状を測定評価するのが煩雑で,これまで,十分な検討がなし得ていなかった.そこで,これまでに検討してきた自動測定評価システムの改良を行い,実用的に使用し得る状態に近づけた. (2)超平滑研削条件の実験的検討 粒度#140の粗粒ダイヤモンド砥石による炭化けい素セラミックの超平滑研削面形成条件を実験的に検討した.テーブル速度を小さくすることが重要であることや,砥石切込みは,ある程度まで大きくしても,大きな影響が無いような傾向が得られた. 2)超平滑研削面形成の理論的検討 研削による仕上面形成は,基本的には,砥石作業面上の切れ刃と工作物との干渉状態によって決定される.そこで,まず,この干渉状態を幾何学的に解析した.そして,その形成には,従来のトラバース研削で行われているテーブル送りを砥石回転方向に送った後,間欠的に,砥石回転方向に直角に送って仕上ていく方法とは逆に,テーブル送りを砥石回転方向と直角方向に送った後,間欠的に,砥石回転方向に送って仕上げていく方法が有用であることがわかった.また,超平滑仕上面形成状態の砥粒切込み深さは,幾何学的な計算では,数ナノメータ以下になることがわかった.
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