2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650132
|
Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
廣田 明彦 成蹊大学, 工学部, 教授 (70016682)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 和夫 成蹊大学, 工学部, 助手 (50169405)
|
Keywords | 難削材料 / ドリル切削 / 負のすくい角 / チャンファ / デッドメタル / 切削模型 / 切削抵抗 / 切りくず生成状態 |
Research Abstract |
1.大きな負のすくい角の工具を対象として,工具-切りくず接触長さが人為的に拘束された接触面積拘束工具の切削状態から,それが自然接触長さまで伸びて通常工具による切削状態へと移行する状態を表現できる切削模型の開発を試みた.その結果,負のすくい角が-30°付近より大きく,すくい面の工具-切りくず接触長さが大となると,すくい面全面にわたる大きなデッドメタルは存在できず縮退し,すくい面の一部にのみデッドメタルが残存する状態に遷移することが見出された.この切削状態がエネルギー的に最小となるため,すくい面の摩擦状態が緩和されても,デッドメタルは消滅しないことが理論から示された. 2.チャンファ(第1すくい面)の他に第2すくい面と切りくずとの接触長さを拘束するランド部をもつ工具による2次元切削模型に,切りくずの並進速度成分を考慮して,切れ刃傾斜角による切りくず流出角と切削抵抗3分力の変化を説明しうる傾斜切削模型を開発した.すくい面が1面の接触面積拘束工具の場合には,切れ刃傾斜角が大となるにしたがってデッドメタルは小となるが,すくい面が2面からなる工具の場合には,第1すくい面の摩擦状態がデッドメタルの生成に大きく関与することが明らかになった.傾斜角が小なる範囲では,切りくず流出角と切削抵抗に関する計算結果と実測結果との一致は良好であった. 3.ステンレス鋼SUS304を被削材として,旋削状態で切れ刃傾斜角とチャンファの長さや角度を広範囲に変化させ,低速から中速度域での切削抵抗,切りくず生成状態を実験的に検討し,解析に必要なすくい面摩擦応力等の力学的データを得た.平削り盤で瞬間停止装置を用いた実験から,切削油剤を十分に供給した場合においても,デッドメタルは消滅しないことが実験的に確認され,理論との一致をみた.
|