2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650136
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
中尾 陽一 神奈川大学, 工学部, 助教授 (00260993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浦田 暎三 神奈川大学, 工学部, 教授 (90016452)
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Keywords | 超精密工作機械 / スピンドル装置 / 静圧軸受 / 流体駆動モータ |
Research Abstract |
本研究の目的は,超精密工作機械用の新しい小型高性能スピンドルを開発することである.このため,本研究では,水の運動エネルギーで駆動される新しいスピンドルを考案している.このスピンドルは,水の静圧軸受で支持され,さらに流体のエネルギーによってスピンドルを回転させるトルク発生用の流路がスピンドルに一体的に組み込まれる構造を有する. このスピンドルには,モータ機能が一体化されているため,伝達要素も持たず,しかも水静圧軸受で支持されるため,高い剛性を有し,低振動の高速回転が可能である.さらに,スピンドルに供給する水の温度を制御することにより,これをスピンドルの冷却媒体としても利用することができる. 本研究では,スピンドルの特性を表す理論式を導出し,これに基づいてスピンドル設計用のソフトウエアを開発した.このソフトウエアを用いることによって,指定した仕様を満たし,かつスピンドルの全効率を最高にする最適パラメータが算出できるようになった.本研究では,開発したソフトウエアを利用して,実際にスピンドルの設計及び製作を行った.開発したスピンドルの基本仕様は,以下の通りである. 定格出力:50W 定格回転数:10000rpm ジャーナル軸受の剛性:100N/μm スラスト軸受の剛性:50N/μm 開発したスピンドルの性能を評価するための実験を行い,スピンドルの回転数特性,供給する水の温度変化,軸受剛性の測定を行った.その結果,スピンドルの回転数特性については,理論計算結果とよく一致し,スピンドルモータ部は設計通りの性能を有することを確認した.一方,スピンドルに組み込んだ静圧軸受の支持剛性は,設計値よりも低いことがわかった.この問題については,今後,軸受部の絞りを変更してさらに検討を行う予定である.また,スピンドルの回転精度についても測定と評価を行う予定にしている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Yohichi Nakao: "Spindle motor driven by fluid energy for ultra-precision machine tool"Proceedings of ASPE 2001 Annual Meeting. 215-218 (2002)
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[Publications] Yohichi Nakao: "High-speed motor driven by fluid power"Proceedings of 5th JFPS. 543-548 (2002)
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[Publications] 中尾陽一: "流体のエネルギーを利用して駆動する超精密スピンドルシステムの開発"新技術フォーラム2002. 35-36 (2002)
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[Publications] 中尾陽一: "超精密工作機械用モータ一体型スピンドルの研究"神奈川大学工学研究所所報. 25. 66-69 (2002)