2002 Fiscal Year Annual Research Report
細線ダイヤモンドワイヤ工具による高能率スライシング加工
Project/Area Number |
13650139
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
諏訪部 仁 金沢工業大学, 工学部, 助教授 (40202139)
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Keywords | 研削 / スライシング / 切断 / ワイヤ工具 / 半導体材料 / 硬脆材料 |
Research Abstract |
現在,大口径シリコンインゴットのスライシングに対しては,スラリー(水溶性切削油と砥粒を混合させた加工液)を連続供給させながらスライシングを行うマルチワイヤソー方式(遊離砥粒マルチワイヤソー)が利用されている.そこで,本研究では遊離砥粒マルチワイヤソーの大口径シリコンインゴットスライシングに対応できる長所を加味しつつ,ワイヤ表面にダイヤモンド砥粒を固着させたワイヤ工具と加工液として水を用い,環境問題にも十分に対応可能な高能率固定砥粒マルチワイヤソーを開発することを目標としている.本研究ではワイヤ工具の高性能化を目指してφ58μmピアノ線ワイヤを2本と30〜40μmのダイヤモンド砥粒を用いることによって,チップポケットを有する高能率細線ワイヤ工具(φ0.18mm程度以下)を作製し,その細線ワイヤ工具を高速走行させながら切断する加工システムの開発を目指している.そして,細線ワイヤ工具の加工特性並びに加工メカニズムの検討並びに加工精度の挙動を理論・実験の両面から研究し,実用化への可能性を追求するものである. そこで,本年度における研究成果は以下の通りである. 1.試作した細線ワイヤ工具用電着装置の改良を行い,φ180μm以下のワイヤ工具が連続的に試作できるようになった. 2.試作した電着装置を用いて電着時間,メッキ液濃度・温度,電流密度の観点から細線ワイヤ工具の最適電着条件を検討した結果,ワイヤの縒りピッチが2〜8mmの範囲では,縒りピッチは長い方が高い切断能率を示し,全面にダイヤモンド砥粒を電着した従来のワイヤ工具(φ0.3mm)の1.4倍程度まで加工能率は向上することが明らかになった. 3.細線ワイヤ工具で切断されたウェハーのうねりは従来ワイヤ工具よりも若干向上し,加工表面粗さは全く同じ値を示すことが明らかになった.
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Research Products
(1 results)