2002 Fiscal Year Annual Research Report
ベン毛を有するバクテリアの潤滑及び駆動機構を利用した情報駆動モータの開発
Project/Area Number |
13650147
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中野 隆 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (00183517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 宏 大阪大学, 理学部, 助教授 (20192750)
相沢 慎一 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (50222451)
桃園 聡 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70262300)
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Keywords | バクテリアべん毛モータ / 拡散電気二重層 / 潤滑 / ナノマシン / トライボロジー / PLリング / グランドポテンシャル / ユニバーサルジョイント |
Research Abstract |
この研究の目的は現在開発の基礎研究が着手され始めたナノマシンの駆動及び潤滑機構のモデルとして,生きているナノマシンというべきバクテリアべん毛モータの潤滑・駆動機構を解明することにある.我々のこれまでの研究によって,ナノマシンの世界では,従来の潤滑技術では良好な潤滑状況が構成することが困難であることがわかってきた.即ち従来非常に有効であると考えられた流体潤滑が,ナノマシンの世界では効率的な潤滑法ではないことが判明した.しかしながら興味深いことにバクテリアべん毛モータの軸受部の構造は,従来のジャーナル軸受と同じ構造をしているように見える.(この構造はPLリングと呼ばれている)そこでナノマシン潤滑技術を開発するためのキーポイントとなる,バクテリアべん毛モータの潤滑機構を解明するために,まず理論的な解析を行った.最初に流体潤滑理論を用いてべん毛モータ軸受部の解析を行った.この解析の結果からバクテリアべん毛モータの軸受は従来の機械の軸受と構造的には類似しているが,実際は物理的に異なった潤滑機構を利用している可能性が高いことが示された.そこで我々は,従来の流体潤滑に替わり疎水コロイドの安定性の原因である拡散電気二重層の効果を用いた潤滑機構の負荷容量計算の定式化を行った.そしてこの拡散電気二重層の効果によってPLリングに要求される負荷容量を生成できることを示した.この研究によって生物の潤滑機構をナノマシンの潤滑機構に応用できる可能性を示すことが出来た.べん毛モータには,この他にも機械のユニバーサルジョイントの役目を果たすフックと呼ばれる機構が存在する.このフックが如何にしてユニバーサルジョイントの役目をしているかについての基礎研究及び,プロトンチャンネル及びナトリウムチャンネルを有するべん毛モータ駆動機構を比較を行った.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 中野 隆, 桃園 聡, 相沢 慎一: "バクテリアべん毛モータ潤滑機構のマイクロマシンへの応用可能性"トライボロジー会議予稿集. 2001・11. 51-52 (2001)
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[Publications] 中野 隆, 桃園 聡, 相沢 慎一: "バクテリアべん毛モータ軸受の拡散二重層モデルに関する考察-負荷容量の計算-"トライボロジー会議予稿集. 2002・5. 193-194 (2002)
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[Publications] 中野 隆, 桃園 聡, 相沢 慎一: "バクテリアべん毛モータ潤滑機構の考察とナノマシンへの応用"精密工学会秋季大会講演論文集. 2002・10. 338-338 (2002)
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[Publications] T.Nakano, S.Momozono, S.Aizawa: "Utilization of Diffusive Double Layer to Lubrication Mechanism of Nanomachine"Proceedings of The Second Asia International Conference on Tribology. 2002・10. 41-41 (2002)
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[Publications] T.Nakano, S.Momozono, S.Aizawa: "Diffusive Double Layer Model of PL Ring in Bacterial Flagellar Motor and Application to Nano-machines"Proceedings of The Second Asia International Conference on Tribology. 2002・10. 53-54 (2002)