パラレルメカニズムにおけるジョイント回転誤差・熱変位補正フィードバックシステム

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13650150
• Research Institution: Shizuoka University
• Principal Investigator: 大岩 孝彰 静岡大学, 工学部, 助教授 (00223727)
• Keywords: 三次元座標測定機 / パラレルメカニズム / ジョイント誤差 / 熱変位補正

Research Abstract

本研究では,能動対偶を出力節に対して並列に配列した機構つまりパラレルメカニズムにおいて,その静・動的運動精度および熱安定性を向上させることを目的としている.まずメカニズムの精度・剛性に大きく影響するジョイントの回転誤差および弾性変形のインプロセス計測を行い,静・動的な弾性変形や回転誤差の補正を行う.さらに,リンクの熱的変形の補償,静的構造物であるフレーム部の弾性変形および熱的変形の補償を行う.
本年度は,主にジョイント運動誤差の補正を行い,効果を実証した.
(1)球面ジョイントへの変位センサの組込み
球面ジョイントの運動誤差はリンク方向の並進変位のみが重要である.したがってこの部分に変位センサを組み込んだ.球面ジョイントの円錐内面部分にスピンドルタイプのプローブを組込むことにより,ジョイントの並進回転誤差を直接測定した.得られた並進変位はストラットの長さの誤差と等価であり,ストラットの長さの補正を行う.
(2)回転ジョイントヘの変位センサの組込み
回転ジョイントの運動誤差のうち,リンク方向の並進変位および2軸回りの回転誤差が重要となる.この運動誤差を測定した.回転ジョイントを二つの球を用いて構成する.この2球の並進変位を4本のプローブで測定し,並進1自由度の回転を算出した.
(3)繰返し測定精度の評価
ジョイントの持つ回転誤差の補正を行い,測定精度の向上を確した.座標測定時に各ジョイントの回転誤差をPCにて取得し,順運動学計算を用いて測定座標値の補正を行った.測定は繰返し測定を行い,誤差の減少を確認した

Research Products

• [Publications] 山本 俊夫, 大岩 孝彰: "遺伝的アルゴリズムを用いたパラレルメカニズムのリンク配置の最適設計"精密工学会誌. 67巻10号. 1652-1656 (2001)
• [Publications] 大岩 孝彰, 京極 正人, 山口 浩希: "パラレルメカニズムを用いた三次元座標測定機(第5報)-立体的なボールプレートを用いたキャリブレーション-"精密工学会誌. 68巻1号. 65-69 (2002)