2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13650151
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
萩原 正弥 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90134840)
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Keywords | ねじ / 締結性能 / 締付け管理 / 締付け試験装置 / 圧電式センサ / 特性評価試験 / 測定精度 |
Research Abstract |
ねじ締結は、その簡便さから、機械や構造物における物品の結合に広く用いられているが、締付け力の管理が難しく、締結の信頼性を確保するために、より高精度な締付け管理方法と共に、簡便かつ精度の高い締付け力の検査・監視方法の開発が強く要望されている。特に、締付けトルクとゆるめトルクの差から摩擦係数の影響を排除し、締付け軸力の値を直接推定し、角度管理によって最初の締付け力を再現する"ゆるめ再締付け法"は、現場での品質保証に適用できる実用的な方法であり、±10%以内という高精度で締付け力の推定が可能であるとの実験結果が得られているが、実際の締付け作業条件下での信頼性を明確にすることはまだできていない。そこで本研究では、実際の締結状態を広範囲に再現でき、締付け仮定での座面とねじ面での摩擦(トルク)変動を完全に分離して測定できる新しい締付け特性試験機(ねじ締結性能診断装置)を開発し、現場での締結性能の向上と品質保証を実現するためのシステムの構築を目指した。 締付け時の摩擦特性には、締付け速度が大きな影響を及ぼし、被締結部材の剛性が関係する。そこで、実際の締結状態を模擬するために、ロードセルには、被締結部材と同様に高い剛性と感度をもつ圧電式センサを利用し、2種類の異なった構造をもつ測定系を試作した。ひずみゲージを貼付けし、校正を行った軸力/トルク測定用ボルト、並びに材料試験機を用いた準静的な精度検定の結果、軸力、座面トルク及びねじ部分トルクをそれぞれ分離して測定できることが確認できたが、ロードセルの感度は、接触面の状態やプリロードの大きさによって変化し、さらに、取り付けの状態によって軸力とトルクの間のクロストークが起こることがわかった。そこで、それぞれのセンサ単体での特性評価実験とFEMなどによる解析を行い、その発生原因に関する検討を行った結果、ロードセル部の構造を工夫することにより、感度変動やクロストークを許容限度内に押さえられる見通しが得られ、システムを実現できる可能性を確認した。
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