2003 Fiscal Year Annual Research Report
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13650161
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Research Institution | Yonago National College of Techinology |
Principal Investigator |
大塚 茂 米子工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (80300606)
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Keywords | 多孔質動圧軸受 / 動圧形状 / 軸受潤滑特性 / スラスト / ラジアル / 複合軸受 / スピンドルモータ / シャフト振れ |
Research Abstract |
今年度は以下の計画に基づき実験検討を行い、結果として得られた点を記す。 実施計画 (i)耐久性試験用動圧スラスト・ラジアル複合軸受の製作。(スラスト形状PIN,WAVEの2種類×ラジアル形状TLT,HB,SLVの3種類を組み合わせた計6種類) (ii)上記試作複合軸受による70℃×2000Hの信頼性試験実施、及びこの試験での回転数、摩擦トルクなどの特性の経時変化、試験後のオイル消耗率比較などの検討。 (iii)上記(i)の各種動圧形状組み合わせ品に対する、動圧効果・各種潤滑特性の継続検討。 平成15年度は、14年度のスピンドルモータ実機による軸振れ抑制効果の検証結果を基に、上記6種類のスラスト・ラジアル複合軸受の最適化を、各種潤滑特性:浮上性,摩擦トルク、温度上昇値、浮上量、軸振れ、及びラジアル・スラスト負荷比率などを測定することにより検討した。また、同様に6種類の組み合わせの内、動圧効果良好品による実機での信頼性試験を実施し、回転数、摩擦トルクの時間的推移、オイル消耗量、内周及び端面の摩耗状況などの計測を70℃×2000H(常温換算:約15000時間)の環境にて実施している。 以上の試験結果を基に検討を加え、その結果より以下の結論に至った。 1)浮上性試験においては、ラジアル動圧形状が支配的であり、これにスラスト動圧形状を付加することによる相乗効果で浮上性を改善できる。なお、最も安定した良好な浮上性はPIN-HBの組み合わせで得られた(1000rpmよりほぼ完全浮上状態となる) 2)温度上昇値、摩擦トルクの測定では、ラジアル動圧形状が、TLT<SLV≦HBの順で両特性値とも低く、特にTLTの場合はスラスト動圧形状にかかわらず他の組み合わせの1/2程度に低減が可能である。 3)耐久性試験でも2)の傾向は同じであり、特に油消耗率に最も優れるPIN-TLTにおいては、省エネルギ化、軸受長寿命化に対して他の組み合わせの約2倍の実力が期待できる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 大塚 茂: "多孔質動圧スラスト・ラジアル複合軸受に関する実験的研究"日本機械学会熊本地方講演論文集. 018-2号. 189-190 (2001)
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[Publications] 大塚 茂: "多孔質動圧スラスト・ラジアル複合軸受に関する実験的研究(II)"日本機械学会松山地方講演論文集. 025-2号. 257-258 (2002)
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[Publications] 大塚 茂, 日立粉末治金(株): "長寿命複合軸受"日本粉末冶金工業会粉体粉末冶金協会春期講演大会. 004-005 (2002)
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[Publications] 大塚 茂: "DCスピンドルモータ用多孔質動圧軸受の軸受機構及び潤滑媒体に関する研究"(財)鳥取県産業振興機構(産学官連携成果普及発表会編). 007-013 (2002)
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[Publications] 佐々木 彰彦, 大塚 茂: "多孔質動圧スラスト・ラジアル複合軸受における潤滑特性の検討"日本機械学会中国四国学生員研究発表講演論文集(開催地:鳥取). 167 (2003)
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[Publications] 大塚 茂: "DCスピンドルモータ用多孔質動圧軸受の軸受機構及び潤滑媒体に関する研究"日本機械学会2003年次大会講演論文集(VIII)(開催地:徳島). No.03-1号. 348-349 (2003)