2002 Fiscal Year Annual Research Report
衛星ミリ波画像を用いたオホーツク海の流氷流動解析における流体工学的計測技術の応用
Project/Area Number |
13650163
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
羽二生 博之 北見工業大学, 工学部, 教授 (70172955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊耳 浩 北見工業大学, 工学部, 助教授 (40205167)
榎本 浩之 北見工業大学, 工学部, 教授 (00213562)
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Keywords | 流氷 / 衛星ミリ波画像 / オホーツク海 / サハリン / 画像処理 / 画像相関法 / 海難防止 |
Research Abstract |
冬期間の多くを雲で覆われ衛星からの可視光による連続観測が困難なオホーツク海の流氷の動きを、DMSP衛星からのミリ波レーダー画像を用いて解析した。研究初年度である平成13年度は、解像度は高いが雲の影響を受けやすい85GHz画像と、解像度は低いが雲の影響をほとんど受けない37GHz画像を組み合わせるとともに、画像のノイズ除去を行うことによって、冬期間連続して流氷を観測できる環境を構築した。最終年度である平成14年度の研究成果は以下のとおりである。 1.研究初年度まではアメリカ雪氷データセンターからCD-ROMによって1年分をまとめた画像の配給を受けていたため、実質的な解析は1年前までのデータを用いており、リアルタイム的な解析はできなかった。 今年度は同センターからインターネットを介して1日前までのデータを入手する方法を確立した準リアルタイム的な解析環境を構築した。 2.PIVにおける一般的な正方形解析マトリクスを見直し、流氷帯の回転や変形の影響を受けやすいマトリクスのコーナー部を切り落として円形に近い解析領域の切り出しを行い、PIVの追跡精度を向上させた。 3.1994年に北海道大学とNKHが共同でサハリン北部から流したGPSビーコンの追跡データを入手し、同年の流氷のミリ波レーダー画像を用いたPIV追跡の結果と比較し、両者が良く一致する事を確認した。ただし、サハリンのテルペニア半島など流氷が陸地と干渉する領域では流氷体の回転や変形が強く、PIVの追跡精度が低下することが分かった。 4.サハリン以北の流氷帯の動きをPIVによって詳しく調べた結果、流氷帯東側境界の動きと流氷帯内部の動きはほぼ一致しており、ロシア東海岸で強い季節風によって流氷が離岸して開水域が現れ、極寒の風で海面がただちに凍って新たな流氷が生成されることが分かった。
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