2002 Fiscal Year Annual Research Report
周期的外部擾乱による翼面境界層バイパス遷移機構の解明と制御技術
Project/Area Number |
13650164
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
船崎 健一 岩手大学, 工学部, 教授 (00219081)
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Keywords | 境界層 / バイパス遷移 / 乱流スポット / 外部擾乱 / 加速度 |
Research Abstract |
航空エンジンなどのターボ機械内での流れは,動静翼列干渉等により複雑な非定常流になっている.特に上流側翼列から生ずる周期的後流は,下流側翼列の翼面境界層に直接的な影響を与える.特に,バイパス遷移とよばれる境界層遷移を引き起こし,エネルギ損失や熱伝達増加をもたらす.そのため,バイパス遷移機構を解明するとともに,その制御方法を検討することは,ターボ機械の高効率化や高信頼性化に大きく貢献するものである. 昨年度の研究では,噴出しにより平板境界層に乱流スポットを誘発させ,7chプローブによりその構造を明らかにした.その結果,噴出しにより誘発された乱流スポットは,先がとがった矢じり形状をしていることが確認できた.続いて,周期的後流による乱流スポット発生の素過程を明らかにするため,小球の打ち下ろしによる局在的擾乱(点源擾乱)により乱流スポットの誘発を試みた.しかし,小球による擾乱の空間的広がりが大きすぎ,単独の乱流スポットの発生を確認することができなかった. そこで,今年度は,新たな点源擾乱発生装置を考案し,局在する擾乱を発生させることに成功した.この後流発生装置はピアノ線を矩形状に張り,小球をその中央に固定するものであり,まったく新しい発想に基づく装置である.また,乱流スポットを同定するための手法として,加速度を導入した.噴出しによるスポットで手法の妥当性を確認した後,点源擾乱による乱流スポットの捕捉を試みた.その結果,以下の知見を得た. ・点源擾乱による乱流スポットは流れと直角方向に広がりを見せるが,かならずしもやじり形状を有さない ・スポット発生の前兆現象が確認された 来年度の課題としては,後流発生装置をさらに改良し,長時間の乱流スポットの観測を可能にすること,乱流スポットの制御機構を考案し,その効果を確認することである.
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